リオ五輪のピッチに立てず…浦和の岩波拓也が誓う「代表の悔しさは代表で晴らす」
浦和で3試合連続フル出場。岩波拓也の挑戦の時計の針が動き始めた。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
右ストッパーとして3試合連続フル出場。挑戦の時計の針が動き始めた。
[J1 21節]鳥栖 – 浦和/2018年8月11日19:00/ベストアメニティスタジアム
浦和レッズのDF岩波拓也が20節のV・ファーレン長崎戦まで3試合連続フル出場を果たし、無失点2試合、1失点1試合と守備の安定をもたらしている。
遠藤航のベルギーリーグのシント=トロイデン移籍後、3バックの右ストッパーに定着。強いフィジカルと展開の先を読んだ戦術眼を生かして1対1を制し、ビルドアップの面でも少しずつ効果的に中盤や前線と関与する機会が増えている。
「ようやくサッカーを楽しめている自分がいて、とても充実感があります。(ワールドカップの中断明け)後半戦は負けなしで来ていますが、自分が入って負けるようになったとだけは言われたくなかった。そこはプライドを持ってやっています」
今季ヴィッセル神戸から完全移籍で加入した。決断の背景には、U-23日本代表で主力を務めながら、オーバーエイジを採用したリオデジャネイロ五輪本番で1試合もピッチに立てなかった強烈な悔しさがあったという。
「あの大会に出られなかったことが一番悔しい。いろんな想いをしてきましたが、ただ、その代表の悔しさは代表でしか晴らせないと思っています」
浦和で結果を残すこと――今はそこに執着している。もちろん日の丸をつけて再びプレーをしたいが、それはそのタイミングが来たときにと、モチベーションにしている。
「次(カタールW杯)に向けて、僕たちの世代(リオ五輪世代)も4年後に向かってスタートを切りました。自分もその一人である以上、上を目指してやりたいです」
リオ五輪世代の選手は結局、ベスト16入りしたロシア・ワールドカップのピッチに立てなかった。ライバルであり仲間でもあった遠藤航はベルギーに旅立った。その一方で、リオ五輪、そして浦和に移籍してきてから日々……様々な悔しさを力に変えて、岩波の挑戦の時計の針が動き始めた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI