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【パリ五輪】オーバーエイジ候補は遠藤航、谷口彰悟…。リバプールを優先すべき? サッカーU-23日本代表

日本代表の遠藤航。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

OAなしで優勝したのは92年スペイン、96年ナイジェリア。近年は…。

 パリ・オリンピックのサッカー男子日本代表(U-23日本代表+オーバーエイジ)のメンバーが7月4日、日本サッカー協会(JFA)から発表される。予選を兼ねたU-23アジアカップで優勝を果たした日本だが、果たしてオーバーエイジ(23歳以上)の選手を採用するのか、活用できるのかが注目される。

 オーバーエイジ枠が容認された最初の大会となった1992年のバルセロナ五輪では、スペイン代表が24歳以上を一人も採用せず優勝。2位ポーランド、3位ガーナもオーバーエイジなしだった。

 続く1996年のアトランタ五輪も、ナイジェリア代表がOA枠なしで金メダルを獲得した。

 ただし近年は、オーバーエイジの採用が一般的に。3枠フル活用ではなくても、一、二人のみを呼ぶケースも少なくない。監督などとつながりのある比較的ベテランの選手が、ある意味“参謀役”として採用されるケースも見られる。

 コロナ禍で開催された東京オリンピックは、当初18人プラス4人のバックアップメンバーが帯同できることに。しかし結局、大会開幕直前に「22人枠」となって開催された。今回も「18人+4人」のチーム活動が容認されているという。FIFAは東京五輪のように22人枠で開催されるよう求めているというが、IOC(国際オリンピック委員会)はできれば人数を増やしたくないと言われる。

 そうしたなか、関係者の話によると、大岩ジャパンでは、遠藤航(リバプールFC)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)がオーバーエイジの有力候補に挙がっていると言われる。

 町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)も並んで候補だが、移籍の可能性もあるため難しそうである。上田綺世(フェイエノールト・ロッテルダム)を求める声もあるが、フェイエではエースストライカーのサンティアゴ・ヒメネスが移籍すれば、上田が新たなエース候補になるため、チーム優先になりそう。

 板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)、冨安健洋(アーセナルFC)の名前も挙がる。がいずれもここ数年はシーズン中に途中離脱しており、負傷などのリスクを考慮すると微妙な状況だ。

 そして遠藤自身は日本代表の6月シリーズで、オーバーエイジについて問われると、必要とされクラブから容認されれば“受諾”する意向を示していた。

 とはいえ、果たして31歳の遠藤を加えることが、大岩剛監督率いるU-23日本代表にプラスに働くかどうかは少なからず疑問も残る。良い意味でも、悪い意味でも、コンパクトに一つにまとまっているのが現在の大岩ジャパンの武器であり、そこに日本代表の柱である遠藤が加われば、事実上、中盤は“遠藤中心”のチームに作り直す必要が出てくる。

 周囲の良さを引き出すのが遠藤の武器である。ただ藤田譲瑠チマのリズムが肝でもあるチームを、短期間で大幅に調整しなければならない。松木玖生、山本理仁、佐野航大、川﨑颯太……突き上げが期待されるセンターハーフ陣に、その1枠が必要なのだろうか。

 加えて、ユルゲン・クロップ前監督が退任しアルネ・スロット監督が就任したリバプールFCで、その1年目のプレシーズンから開幕にかけてという重要な時期に、チームを抜けるデメリットも忘れてはならない。もちろん今回の五輪が欧州開催であり、フットボールへの理解も深い地であり、メダル獲得となれば、遠藤の評価もさらに高まるかもしれない。

 とはいえ、五輪世代と遠藤の融合をそんなタイミングで急ぐ必要があるとも言えない。9月からは日本代表の北中米ワールドカップ(W杯)の最終予選もスタートする。日本サッカー全体の進化を考えれば、スーパートップであるリバプールでの重要な戦いに集中させたほうが良い気がするが……。

 JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、五輪ではサッカー協会(FA)招集の優先権・強制権がないため、欧州クラブからの招集に向けた交渉は困難をきたしていると明かしていた。

 オーバーエイジ候補者を見ると、フィールドプレーヤーの守備強度を高めたい(ビルドアップ能力も備える)という意図は伝わる。各クラブが次第に始動しており、もしもオーバーエイジを招集するのであれば、ここから一気に話も進展しそうだ。登録枠数の最終的な決定(アナウンス)も待たれるが、あるいは……Jリーグ勢からの抜擢もあるか!?

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