【パリ五輪】なでしこ、後半守備重視だった理由とは?「選手への伝え方の難しさはあったが…」と池田監督。GS突破へスペイン相手に大量失点回避。清水梨紗の状態は…
パリ五輪GS初戦、池田監督は得失点差も配慮した慎重な試合運びをしてくれたなでしこジャパンの選手たちを評価した。写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA
最初の関門は「GS突破」、今大会は3位でも突破可能なレギュレーション。
[パリ五輪 GS C組 第1戦]日本女子代表 – スペイン女子代表/2024年7月25日24:00(現地17:00)/スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール
パリ・オリンピック女子サッカー・グループステージC組初戦、日本女子代表(なでしこジャパン)は藤野あおばの直接フリーキックで先制したものの、スペイン女子代表に1-2の逆転負けを喫した。
池田太監督は試合後、メディアの一問一答に応じて、次のように語った。今大会のレギュレーションは各組3位でも3チーム中2チームがベスト8に進める(しかも同じC組のチームと準々決勝で対戦することはない)。そういった背景もあっての、リスクを最小限に抑える戦いになったという。
――試合開始時、4-4-2を採用した理由は?
「スペインの中盤の人数に合わせるため(最終ラインを)4枚にして、攻撃はサイドで数的優位を作るという狙いを持って臨みました。ボールを持たれた時間はあったものの先制できて、そのあと主導権を握られた時に少し耐え切れなくなってしまいました。ポイントを取れなかったことは悔しいですが、2戦、3戦目でしっかりと取り返せるはずです」
――1-1で迎えた後半、3-4-2-1に変更した理由は?
「前半の失点シーンがそうでしたが、2列目からの飛び出しや4枚の間を通されることがあったので、中盤でのプレスがかからなくなるリスクはあったものの、(最終ラインを)5枚にして、その間隔を狭める狙いがありました」
――ヒザを傷めて全く立ち上がれなかった清水梨紗選手の状態は? 今、池田監督が分かる範囲で教えて下さい。
「いまメディカルスタッフからの報告を待っています。(病院へ?)どのような手続きをしているかは分かりません」
――最終ラインの枚数を増やしたあと、逆に押し込まれてしまったようだったが?
「中盤の枚数が減り相手のビルドアップにプレスへ行けなくなったのはありますが、ただ、そこでチームがバラバラになって闇雲にどんどん追って失点を重ねることは避けたかったです。
そういった意味で、選手たちは最後まで、負けているなかでもチームのディシプリンを守りながら、最少失点のままチャンスがあれば出て、まず同点を狙う。そういうプレーに徹して、最後まで戦ってくれたと思います」
――グループステージ突破に向けて、得失点差を考えると、さらに失点を重ねたくなかった(※3グループ計12チーム中、GS敗退は4チームのみ。3位でも、3チームのうち2チームが準々決勝に進める)。そこを踏まえたうえで、ゴールを狙うということだったのでしょうか。
「そこは選手への伝え方に難しさがあり、初戦で勝点をほしいのは当たり前ですが、まずグループステージを突破するという明確な目標があり、そのバランスが大切で、選手たちは最後までよくやってくれたと思います。(試合終盤について)そして最後にもう一度宮澤選手を上げて4-4-2にして、ベンチやスタッフとコミュニケーションを取りながら対応できたのは、積み上げの成果だと思います」
――もしも清水選手が復帰できなければ……?
「今までもそうですが、選手全員が自分のこのチームでの役割や仕事をしっかりしてくれていますし、まだどのような報告か入ってくるのかは分かりませんが、みんなで闘っていく、ということは変わりありません」
――北川ひかる選手の状態は?
「日に日にチームのトレーニングに戻ってきています。(ブラジル戦に間に合う?)次がどうかという話ではなく、このオリンピック期間の中で一緒に戦えるようにしっかりと準備してもらっています」
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――中2日でのブラジル戦へ。
「コンディションを整えること、そしてすぐブラジル戦があるので、そのサイクルへの切り替えが大切です」