【パリ五輪 女子サッカー決勝】米国決勝点『オフサイド疑惑』。関与の有無、OFRがあっても良かったか
パリ五輪決勝、スワンソンがブラジルからゴール! 写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA
オフサイド判定は本来VARオンリーレビューだが、”関与”の有無はビデオで確認するケースも。
[パリ五輪 女子サッカー決勝]アメリカ 1-0 ブラジル/2024年8月10日23:00(現地16:00)/パルク・デ・プランス
パリ・オリンピック女子サッカー決勝、アメリカ女子代表がマロリー・スワンソンのゴールで、ブラジル女子代表に1-0の勝利を収めて優勝した。2012年のロンドン大会以来、12年ぶり5個目の金メダル獲得に。ブラジルは初の優勝ならず。
前半にブラジルのリュドミラがゴールネットを揺らしたものの、これはオフサイドディレイで認められず。ここで喜びを爆発させたブラジルは、そのあとトーンダウンしてしまう。
そして後半を挟んだあと、アメリカはスピードを生かして、ブラジルのハイラインの背後を突いていく。
すると57分、決勝ゴールが決まる。
コルビン・アルバートのスルーパスから、11番のソフィア・スミスが抜け出す。ただ、その背後から抜け出した9番のスワンソンが快足を飛ばして、このパスを受けて、そのまま持ち込みシュートを突き刺した。
このシーンだが、アルバートがスミスに向けてパスを放ち、スミスはオフサイドポジションにいた。ブラジルのDF陣はオフサイドだと主張。ただ、その外から飛び出したスワンソンはオンサイドにいた。スワンソンがボールを受けたことで、審判団はゴールを認めた。
とはいえVTRを見ると、アルバートからのパスに、オフサイドにいたスミスはボールを一旦追い越している。ただ、途中でさらに外から快足を飛ばしたスワンソンに託している。
VARが介入したものの、オフサイドの判定は”事実確認(ファクトチェック)”で、ほぼ自動的に判定できる理由により、基本的にVARオペレーションルーム内での「VARオンリーレビュー」で判定が下される。主審はVARルームから伝えられる判断に委ねる形になる。
とはいえ例外として、今回のように、オフサイド判定を巡り、プレーに関与したかどうかの有無に関しては、”主観”が関わってくるため、VARオペレーションルームが主審にビデオでチェックするOFR(オン・フィールド・レビュー)を推奨するケースがある。特に今回のようなその1ゴールがタイトルを左右する場合、より採用される傾向が見られる。
ただ今大会は「半自動オフサイドテクノロジー」も採用されてきた。よりVARオペレーションルームの判断が尊重されたと言え、結果的に、スワンソンのゴールが認められた。
もしもOFRがあったら、判定が覆っていたかもしれない。あるいは、そのうえで主審がアメリカのゴールを認めていれば、よりスッキリしていただろう。
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女子サッカーは、アメリカが金メダル、ブラジルが銀メダル、そして3位決定戦でスペインを下したドイツが銅メダルを獲得。なでしこジャパン(日本女子代表)はアメリカとの準々決勝、延長戦の末に0-1で敗れてベスト8で終えている。