「日本代表が潰される」伊東純也を巡る虚偽報道、弁護団が週刊新潮の編集者と女性5人を刑事告訴した理由を説明
伊東純也。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「日本代表を守らなければならない、ということで弁護活動を行ってきました」
性加害疑惑についてサッカー日本代表の伊東純也(スタッド・ランス)が不起訴となったなか、伊東の弁護団は8月9日に行った記者会見の中で、1月に週刊新潮に記事を掲載した編集者3人と虚偽を語ったとする女性二人に対し、名誉棄損・信用毀損罪で東京地検に刑事告訴した件についても報告。その経緯や理由などを説明している。
伊東サイドは虚偽告訴罪で女性二人を刑事告訴したが、こちらも不起訴となった。ただし虚偽告訴罪は立証が難しく、起訴されることは非常に稀であるため、弁護団は週刊誌や女性について「虚偽告訴罪で不起訴になっても逃がさないということです」として、名誉棄損・信用毀損罪で訴えたと語った。
「週刊新潮はあたかも性加害を行ったように報じ、女性に働きかけをしていたため、名誉棄損罪が十分成立すると考えています。報道機関であるから許されるということではないと考えています」
この報道があったのはカタール・アジアカップの準々決勝直前であった。そのためチームは動揺、しかも伊東は日本サッカー協会(JFA)の判断により、メンバーから外されることになった。そして日本は準々決勝でイラン代表に敗れた。
「実際、大きく報じたこと、しかもアジアカップの準決勝に進んで行く大事なタイミングで、アジアカップという大事な大会で(伊東選手が)離脱を余儀なくされ、日本代表は残念な結果に終わってしまった。
これが許されてしまうと、様々な大会での妨害ができてしまいます。裁判所は慎重な判断をしたうえで判決を出しますが、週刊誌はこうして非常に強い権力を持っています。一人の選手を終わらせることができる。日本代表を潰すことができる。
そうなってはならない。実際そういうことが起きている。日本代表を守らなければならない、ということで弁護活動を行ってきました」
そのように伊東のキャリアにも大きな影響を及ぼした一方、耳目を集めて収益を得ることで日本代表を”潰す”ことさえもあり得る影響力の強さに危機感を覚えている。
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この記者会見の模様はユーチューブの「弁護士ドットコムニュース」で公開されている。日本代表は9月5日のホームでの中国代表戦から北中米ワールドカップ(W杯)の3次予選(これまでの最終予選)がスタートする。年内は9月、10月、11月に、それぞれ2試合が行われる。今回の不起訴により嫌疑の晴れた伊東の招集も事実上可能になった。