【ドイツ発】火災と信号機故障で交通網麻痺。乗客全員で45分間徒歩移動、CLバイエルン×ベンフィカ戦が開始15分遅れた理由とは?
アリアンツ・アレーナへの大移動を余儀なくされた。(C)SAKANOWA
むしろピクニックのような雰囲気に。
[CL リーグフェーズ4節]バイエルン 1-0 ベンフィカ/2024年11月7日(現地6日)/アリアンツ・アレーナ
UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ4節、ドイツ・ブンデスリーガ1部バイエルン・ミュンヘンがヤマル・ムジアラのゴールで、ポルトガル1部ベンフィカ・リスボンに1-0の勝利を収めた。
この試合のキックオフが当初予定していた21時から15分遅れた。その理由は、ミュンヘン中心地とアリアンツ・アレーナを結ぶ生命線でもあるトラム「Uバーン6号線」が開始約2時間前に完全にストップしたためだ。
『ヴェルト』によると、まず中心街「マリエン広場」の地下駅で、この試合に向かっていたサポーターの火器から引火して火災が発生。消防隊と警察が急行する事態が起きた。そのため、トラムの車両を近辺の線路から「すべて撤去」する必要が出たそうだ。
そのあと、今度は複数の主要路線が交差する「オデオン広場駅」で、信号機のトラブルが発生した。そこで、完全に交通網がストップ。この故障と火災の因果関係は、これまでのところ明らかになっていないという。
バイエルンはSNSで「信号故障」について報告。他の交通手段を使って、スタジアムに訪れるように促した。
記者はちょうどアリアンツ・アレーナに向かっていた。スタジアム最寄りの『フレーットマーニング駅』まで2駅手前でトラムがストップ。15分ほど立ち往生が続いた。試合当日はトラムが約5分間隔でピストン輸送されているため、車内はそこまで混雑しておらず、乗客は比較的落ち着いていた(呆れていた?)。
一度、車内放送では駅で火災が起きたようだといった放送が流れた。ただし、さらに5分ほど経つと、「この電車はこれより先に行けなくなりました。業務をストップします」と説明があり、乗客全員が降車を促された。
中心街からスタジアムの最寄り駅まではトラムで約20分(そこからアリアンツ・アレーナに完全に到着するまで徒歩約20分)。残り2駅の『フライマン』から(さらに後続の電車はさらに長い距離)、トラムを降りた乗客全員が徒歩での移動を余儀なくされ、文字通り大移動が始まった。
全員が行列になり、団地街の間などを縫って行進していく。幸いというべきかこの時点で試合開始約2時間前だったこともあり、乗客は冷静で(呆れて!?)、約45分かけての徒歩は、赤く浮かび上がるアリアンツ・アレーナが近づくにつれ、それぞれの興奮も伝わって来て、まるでピクニックのような雰囲気すらも漂っていた。
関連記事>>バイエルン・サポーター怒りの3万6000席キャンセル申し出。シャフタール戦、ドイツ開催も最低価格「1万7000円」で
そこからスタジアムへの移動はピークを迎えた。そのため試合開始は15分遅れることに。ただ、9時15分過ぎには、チケット完売となっていた7万5000人で、スタンドはほぼ埋め尽くされてキックオフを迎えた。