【横浜FM】日本代表デビューの天野純「強くなりたい」と決意示す
横浜F・マリノスの天野純。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
試合を決定づける選手になるため――。
[J1 26節] 横浜FM 1-2 浦和/2018年9月16日/日産スタジアム
森保一監督初陣となるコスタリカ戦で日本代表デビューを果たした横浜F・マリノスのMF天野純が、浦和レッズ戦で3-4-2-1のシャドーで先発フル出場し、多くのセットプレーからチャンスを作った。しかし1-2で敗れ、試合後は落胆の表情を浮かべた。
「(浦和は)しっかり守ってカウンターから前の速い選手につないできて、脅威は感じました。ただ(横浜FMが)チャンスは作れていて良かったので、勝ち切らないといけないゲーム。ゼロポイントだったのは痛いなと思います」
「攻めにくさはなかったが、攻め方も相手の出方を見ながら変化させていくべきだと思いました。そこは柔軟にやっていかないといけない」
そのように天野は試合を振り返った。そのなかで自身のパフォーマンスも決して良くなかったとも悔やんだ。
「(セットプレーは)精度が低かったし、そこはもっと上げていかないといけない。それを含めすべてのパフォーマンスにまったく満足していません」
「2失点目は自分のプレスが甘くなった部分はありました。流れが悪いと言ったらそれまだが、そこの流れをどうやって良くするのか。マリノスの流れに持っていくために、細かいところを統一していかないといけないのかなと思います」
試合の途中から、全員のイメージが一つになっていなかった。天野はその点を最大の課題に挙げていた。
一方で収穫に挙げられるのは、浦和の選手たちがその左足のキックを警戒していたこと。それはまさに日本代表に選ばれたことの効果の一つと言えた。
相手の思惑の裏をかいたり、逆を突いたり、そういった駆け引きで相手を上回れれば、その左足は横浜FMであり、日本の武器となっていくはずだ。
「(日本代表に選ばれたことで)そういった目で見られるものだが、それに値するパフォーマンスを出せなかったので責任を感じています」と彼は悔やんだ。加えて代表戦のためチームでの活動を約2週間ほど空けたあとに合流する初めての経験をして、「代表選手の誰もが通っていく道。ここから強くなりたい」と誓っていた。
「監督のサッカーを信じて、信念を貫き通すことと、あとは球際で負けないっていう、サッカーの根本、本質の部分で、しっかり徹底してやっていくこと。そうすれば結果はついてくると思います」
勝利に貢献できなかった。そのことを天野はずっと悔しそうにしていた。
チームはJ1に生き残るというノルマ達成が当面の目標となる。と同時に、試合を決定づける選手に――それは天野にとって、自分自身との戦いでもある。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI