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Jリーグとプロ野球、大幅な延期濃厚「非常に厳しい状況。4月の開催は難しい」専門家の賀来氏が見解

NPBの斉藤惇コミッショナー(左)と Jリーグの村井満チェアマン(右)。(2020年3月2日撮影)写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

村井チェアマンはスケジュール再変更の意向を示す。「誰が感染してもおかしくない蔓延期。1、2か月のスパンで考えなければいけない」と舘田氏は説明。

 一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第5回会議が4月3日に行われ、その後、NPBの斉藤惇コミッショナー(日本プロ野球組織コミッショナー)、 Jリーグの村井満チェアマン、「専門家チーム」の賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、舘田一博氏(東邦大医学部)による記者会見がウェブで行われた。

 Jリーグは2月16日にルヴァンカップ、21日から23日にかけてJ1とJ2リーグの開幕戦(1節)が行われたが、その後のカードがすべて延期に。J3は4月25日に開幕、J2は5月2日、J1は5月9日の再開を目指していた。

 今回、座長を務める賀来氏は「非常に厳しい状況。4月の開催は非常に難しい。できる限り現段階で、時間を延ばせるのであれば、延ばしていただきたい」と、現在の状況では試合の開催自体が難しいと見解を示した。

「現段階の状況について検討し議論してきましたが、ご存じのように、全国で患者さんが急増しています。非常に厳しい状況。緊急事態宣言が出るかは分かりませんが、大都市圏のリンク(感染源)を追えない患者さんがオーバーシュートまでいかなくても、急増しています。誰でもどこでも感染が起こり得る状況で、現段階では4月の開催は非常に難しい。そのように申し上げました。できる限り現段階で、時間を延ばせるのであれば、延ばしていただきたい。開催するまでの間、選手の健康管理を含めて、しっかり対応していただきたい。あとに伸ばしていただきたいと思っています」

 そのように賀来氏は感染のフェーズが変わったことを強調。選手とその家族が危険にもさらされており、「誰が感染してもおかしくない蔓延期に突入しています。また、1、2か月のスパンで考えなければいけない時期に入ってきています」と、舘田氏は警戒を強めた。三鴨氏はもしもピークアウトを迎え、社会の趨勢を見て、早くても5月下旬、6月上旬の開催が可能ではないかという希望的な観測を示した。

 村井チェアマンは「専門家のご指導をいただきながら、丁寧に慎重に準備をしてきました。従前に比べて一段、厳しくなった認識をしています。今回の提言を踏まえて、今後について協議していきたいと思います」と、このあと各クラブと議論を深めていくと語り、4月・5月上旬の開催が難しく、「現在のスケジュールを実行に移すのは難しいという認識でいます」と語った。

 現状では、無観客試合でも開催は難しいという認識を示した。

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[文:塚越 始]

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