斎藤元彦知事の告発問題、PR会社社長へガサ入れ! 『謎の上申書』に若狭弁護士が「普通はあり得ない」と驚く理由とは?
兵庫県の斎藤元彦知事。 (Photo by Toru Hanai/Getty Images)
水面下では、斎藤知事の関係先にも!?
失職を経て知事選挙に当選した兵庫県の斎藤元彦知事だが、広報業務の委託を受けていたコンサルタント・PR会社が、斎藤知事を”応援”していたとネットで喧伝し、その運動が公職選挙法違反に該当するのではないかという疑いが浮上し、斎藤知事とPR会社社長が弁護士らに告発された。そして2月7日、その兵庫県警と神戸地検が合同で同社や同社関係先の“ガサ入れ”を行った。
この件について、弁護士の若狭勝氏が2月8日、自身のユーチューブチャンネルで「【斎藤知事】女性社長の寛大処分を求める告発人書面が鍵」と題した動画を公開し、果たして現状がどのようになっているのか? 元検事の視点から解説した。
”ガサ”とは「探す」を逆に言った捜査関係者の隠語で、目的は証拠物を探すことにある。若狭氏は「一つ印象的な出来事」として、1月24日頃、告発した二人が捜査側に対し、PR会社社長に「寛大な処分を求める」という上申書のような書面を提出したことを挙げた(対象に知事は含まれない)。
告発状を提出したにもかかわらず、この社長に関しては起訴猶予でよいという趣旨である。若狭氏は、この段階でそういった上申書を出すのは「普通はあり得ない」と訝る。いずれにせよ、そうした動きは「今回の捜査の目的を考えるうえで、非常に鍵になる」と見ていた。
すでにこのPR会社社長が捜査側に、しっかり情報を提供しているので、もう十分である。あるいは、逆にあまり協力せずにいるので“誘い水”として「寛大な処分」を認め、しっかり話して実態を明らかにしてほしい、そうすれば処分は求めないという狙い。若狭弁護士は、上申書の提出について、そのいずれかの目的だったのではないかと見ている。
また、PR会社社長が情報提供などに協力的ではないため、捜査が入ったと、若狭氏も情報を耳にしているという。とはいえ、警察の言うことを、全てそのまま受け止めるべきではないとも強調する。
一つの物差しとしては、捜査人数が多ければ多いほど“本気度”が伝わるということだ。
また斎藤知事側の関係者への捜査に入っている可能性もあり得ると見る。若狭氏自身も特捜部時代にはマスコミに嗅ぎ付けられず、公にせず調べることもあったそうだ。
仮に知事側への捜査が入っていれば、より捜査状況は進捗している。まだPR会社社長側のみであれば、あまり進展せずにいることになる、と現状を分析していた。
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現状では、まだこのガサ入れが、警察・検察が本気になっている表われなのかどうかは分からないということだ。次なる警察・検察の動きで、この件に対する“本気度”なども分かってきそうだ。