川崎から2アシストの鈴木優磨「今年の鹿島は強いんだというメッセージになった」。“激走”フル出場に「足つりすぎて、ペンギンみたいになりました」
鹿島の鈴木優磨。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
「先制されても逆転できる力を、ほぼ全員で見せられた。本当に強くなっているんじゃないかと思えます」
[J1 16節] 鹿島 2-1 川崎/2025年5月11日13:10/国立競技場
J1リーグ16節、鹿島アントラーズの鈴木優磨が川崎フロンターレとの国立決戦、左MFとトップ下のポジションから2アシストを記録して、逆転勝利に大きく貢献した。首位の鹿島はリーグ6連勝で、2位・柏レイソルとは4ポイント差、3位・京都サンガF.C.と6ポイント差。
鈴木は4-2-3-1の左MFで先発し、後半はトップ下に。その両方のポジションから、ポケットを突いての折り返しで舩橋佑弾、スルーパスから田川亨介の逆転弾を、それぞれ演出した。
「前半はチームとして体が重そうで、耐えて前半のうちに1点を取れたのはデカかったです。(チームメイトにゲキを飛ばしていたのは)押し上げが甘かったし、ボールホルダーへのプレッシャーも行けていなかった。暑さもあり、自分に気合いを入れるために強めに言いました」
舩橋へのアシストは「(シュートコースとして)GKと被るなと思い、あとは中に誰かがいてくれればと、ちょっと適当に蹴ったのでラッキーでした。舩橋くんが落ち着いて決めてくれました。(誰がいるかは少し確認していた?)見えていなかったです。誰かいるだろうなぐらいの感じでした」と、阿吽の呼吸とも言える感覚が生んだ得点だったという。
さらに背後を突いた田川へのキラーパスは、次のように振り返る。
「ハーフタイム、(田川)亨介にはボランチの裏が空いているから、出場したらそこを狙うように言っていました。チャッキー(チャヴリッチ)とのライン間でボールを受けて、前を向けていたのですが、ディフェンスラインの裏に抜け出す動きが足りなくて。レオもそういうプレーを得意としているわけではありませんでした。
亨介には、俺が前を向けたら、その瞬間、DFラインの背後へ走ってくれ。パスを出すからと、ハーフタイムに伝えていました。正直、狙い通りでした」
レオ・セアラが確実に起点になった。川崎守備陣にそのイメージや残像が残るなか、田川の強烈なスピードが生きて、二人で崩し切ってみせた。
自身のゴールはなかったが「大丈夫です」と、この勝利を喜んだ。
「フロンターレのような力のあるチームは必ず上がってきます。そういう相手を早い段階で叩けた。これだけのビッグマッチは、他のチームも見ていると思いますし、『鹿島は今年強いんだ』というメッセージになりました。先制されても逆転できる力を、ほぼ全員で見せられた。本当に強くなっているんじゃないかというふうに思えます」
そう鹿島のエースは胸を張った。
関連記事>>【鹿島】「勝ったから言えますが」知念慶が驚いた鬼木監督の変化。川崎時代のほうが鹿島戦にこだわっていた
攻守両面で、鹿島の勝利を欲して激走を続けての90分フル出場。鈴木は「足つりすぎて、ペンギンみたいになっていました。ただ、ここで一回頑張ろうと。そう思って乗り切りました」とハードワークを殊勲に、安堵の笑みを浮かべた。