【なでしこ】WEリーグの力を示す。韓国から先制点を決めたINAC神戸の成宮唯、中国戦へ「勝利だけを考えている」東アジアE-1選手権
なでしこの攻撃を牽引した成宮唯(手前)と吉田莉胡。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「パッと前を見た瞬間、シュートを打てる間合いだった」
[東アジア E-1選手権]日本女子代表 1–1 韓国女子代表/2025年7月13日20:00/華城総合運動場(韓国)
東アジア E-1選手権の女子第2戦、日本女子代表(なでしこジャパン)が成宮唯のゴールで先制したものの後半に追い付かれ、韓国女子代表と1-1で引き分けた。
大会連覇を狙うなでしこジャパンのスタメンは、今オフにVfBシュツットガルトに移籍した大澤春花以外、WEリーグを戦う“国内組”で構成された。ニルス・ニールセン監督は「国際舞台で戦うには何をしないといけないのか。E-1選手権の経験から学んでほしい」と選手たちの“気づき”と“学び”に、今大会の主眼を置く。
初招集11人というフレッシュな顔触れの中で、ひと際、輝きを放っているのが2021年に代表デビューしWEリーグを牽引してきた成宮唯(INAC神戸レオネッサ)だ。
前回の優勝経験者の一人で、その攻撃のセンスは高く評価されてきた。今大会は4-2-3-1のトップ下でまさに攻撃の中心となり、エッジの効いたプレーでアクセントをもたらしている。
韓国のハイプレッシャーを厭わずパスコースを作り、受け手としてもスペースに顔を出していった。すると37分、山本柚月を起点に、INACの同僚である愛川陽菜から、相手DF陣の背後を突くと足元に優しいラストパスが届いた。
成宮は「ヒールで後ろに流す選択もありましたが、パッと前を見た瞬間、シュートを打てる間合いでした。(ミーティングでポケット=ハーフスペースを突く狙いを共有し)ランニングで相手を外す動きの質にこだわっていました」と右足を振り抜き、ファーサイドのネットへボールを突き刺した。
成宮らしい一撃だった。
しかし後半の日本はスイッチの入った韓国に苦戦を強いられ、試合終盤に失点を喫して引き分けた。
「最後の時間の失点は、サッカーではよくあり得ること。それよりチャンスで、もう2、3点を取れるぐらいのチャンスがあったので、それをモノにできなかったのが反省点です」
成宮はより得点へのこだわりを口にしていた。
得失点差で首位に立つ日本は、1勝1分け同士である中国女子代表に最終戦で勝利すれが3連覇を達成できる(3位の韓国は2引き分け)。
成宮は「勝つことだけを考えてチームとして向かって行きます」と気を引き締めていた。
ここまで2試合連続でスタメンに名を連ねてきた。替えの利かない選手になっている彼女への期待は大きい。
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WEリーグの力を示す——。大会3連覇を目指す命題にするチームの『サブテーマ』と言えるこのワード。今大会最もランキングの拮抗する16日の中国戦(FIFAランキングは日本が7位、中国が17位。韓国が21位)で、成宮が中心となって証明する。