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【サッカー】新ルール、ドロップボールの試合再開方法も少し変更「『最後に触れた選手』ではなくなる」: 2025-26新競技規則。J1リーグ & WEリーグは今週末から

写真:手塚大介/(C)Daisuke TEZUKA

「8秒ルール」「キャプテンオンリー」に加え。

 国際的なサッカーの重要事項を決定するIFAB(国際サッカー評議会)の新たな競技規則の承認を受けて、日本サッカー協会(JFA)は8月から順次、各カテゴリーで新たなルールを採用している。J1リーグ、WEリーグでは8月9日から採用される。J2ではすでに8月2日から実施され、J3は16日からになる。

 アマチュアカテゴリーでは、各種全国大会で夏休みから採用。地域・都道府県レベルは来年4月1日まで順次採用されていく。

 ゴールキーパーの「8秒ルール」では、ゴールキーパーがボールをキャッチし、次にプレーできる状況から8秒以内に試合を再開。主審は5秒前からカウントダウンされる。

 そして試合中に主審に話をできるのは基本的に一人、主将のみとなる「キャプテンオンリー」も注目される。ただしJFA審判部の説明によると、あくまでも主審と選手の試合中の対話は重視される。トラブルや説明が必要な際、何か主張した異才は一人だけということで適用される。キャプテンがGK、外国籍選手などの場合、誰が代わりを務めるかなどコイントスの際に主審に説明すればOKだ。

 また、「ドロップボール」の試合再開方法も、少し変更される。

 ペナルティエリア内では、守備側ゴールキーパーのボールで再開される点は変わらない。

 一方、ボールがペナルティエリア外に飛んでプレーが中断された場合、これまでは「最後にボールに触れたチーム」の再開だったが、そうとは限られなくなる。

 新たな規則は「ボールを保持していたチーム、または保持したであろうチームが主審にとって明らかであれば、ボールはそのチームの競技者の1人にドロップされる」ことになる。

「もしも、そうでなければ、最後にボールに触れたチームの競技者の1人にボールはドロップされる。ボールはプレーが停止された時にボールがあった位置にドロップされる」

 つまり、エリア外に飛んでいて中断された場合、最もボールの近くにいたチームのマイボールとなって再開される。

 例えば、FKでペナルティエリア内のAチームの壁の選手にボールが当たって、ボールがペナルティエリアの外へ飛ぶ。壁の中でボールを受けた選手が倒れる。ただし、このボールをエリア外にいた相手Bチームの選手が(明らかに)拾おうとしていた。

 ここで主審が、倒れた壁の選手の状態を見て、プレーを中断する。

 これまでであれば、Bチームの選手がまだボールに触れていなければ、AチームのGKへのドロップボールで再開されていた。

 しかし、改正されたルールでは、“明らか”にBチームがボールを拾おうとしていので、Bチームのドロップボールで再開される。

 審判はおそらく倒れた選手にまず集中しそうなシチュエーションとも言え、最初はやや混乱するシーンもありそうだ。

 ただ、つまり“明らかに”チャンス(ピンチ)になりかけたところで、これまで相手に渡されていたボールを、より優位なチームから再開するというもの。そう考えると、決して難しいというわけではないかもしれない。

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「最後に触れたチームのドロップボールで再開される」という、ある意味近年の“当たり前”が変わる点には留意したい。