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【柏 4-2 浦和】小泉佳穂が語った勝負のポイント。後半開始直後には「『もう間が空き始めているな』という感覚があった」。満を持しての細谷真大投入が勝負手に

柏の小泉佳穂。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

「結構ドキドキでした」という古巣とのホームゲーム。レイソルの司令塔による、気付きの多い“感想戦”。

[J1 27節] 柏 4–2 浦和 / 2025年8月22日19:03 / 三協フロンテア柏スタジアム

 J1リーグ27節、柏レイソルが浦和レッズとの上位対決、前半に2点先取されながらも後半に4ゴールを奪い、4-2の逆転勝利を収めた。柏は勝点50に伸ばして、暫定首位に浮上した。

 古巣をホームに迎えての一戦、小泉佳穂は試合後、「結構ドキドキでした。緊張しました。2週間ほぼ休んでいて、いきなりの浦和戦で、しかも勝点3差。本当にドキドキでした。楽しもうとはしていたけど、硬かったかなと思います」と、率直な気持ちを明かした。

 この浦和戦に照準を合わせてきたのかと問われると柏の司令塔は、「滑り込んだというか、本当にギリギリ間に合わせた感覚でした。勝って良かったです」と頷いた。

 そしてかなりの将棋の腕前で知られる小泉による、試合を振り返ってもらう“感想戦”。柏、浦和、それぞれの視点から気付きの多い内容を語ってくれた。

 柏は2点リードされて、後半を迎える展開となった。

「大枠は悪くなかった。セットプレーからの失点はちょっときつかったけど、そのあとは別に悪くなかった。割と(相手を)走らせられて、押し込めていて、良かったんですけど、リスク管理の配置のところ、押し込んだ時のアイデア、ミドルシュートの狙い、そこは自分もですが、精度や脅威を与えるところの分かりやすい課題が出たと思います。そこは修正しなければいけないポイントだと思います」

 小泉のリードされた場合のミッションは、相手の体力を消耗させて、スペースを作り出すこと。それは「できている」という確かな感覚があった。

「相手を動かすこと。そこで隙ができたら進入していきたかったものの、あそこまで引かれて10人全員がペナ(ルティエリア)に入る展開だと、そう簡単に崩せません。ただ、そこで後半への布石はかなり意識していました。それだけに2失点目は……自分たちのディテールの詰めの甘さが出たと思います」

 しかし――。小泉は続ける。

「『ボールを待たされていた』という感覚ではなかった。相手を走らせ、スカスカになっているな……という感覚はあったので、そういう状態にすることが自分の仕事の大きな一つだと思っていました。もちろん、そこまでのゲーム運びを含め、もっとやれたことはあったとは思います」

 しかもハーフタイムには細谷真央へ「多分俺もすぐだから、準備だけはしておいてくれ」と伝えていたそうだ。

 小泉は1-2で迎えた63分、細谷と交代。すると柏のエースストライカーは83分に起死回生の同点弾を叩き込んでみせた。

 そして浦和の戦い方について。後半に入り、一度、前から来ようとする意識は感じられた。が、すぐ撤退戦に戻り、そこで小泉佳穂はより確かな手応えを得ていったという。

「 撤退したのか、撤退せざるを得なかったのかがちょっと分かりませんが……浦和も後半頭は引きこもってばかりではダメだという意思を一瞬見せたと思います。だけど、スライドが間に合わないとか、体力的にきついとか見え出して、その意味では、後半頭から『もう間が空き始めているな』という感覚がありました」

 あとは冷静に攻められれば、ゴールを攻略できるはず。柏はより攻撃の手を強め、結果、4ゴールを奪ってみせた。

「もちろんスコアの0-2は重かった。0-1だったら、全然違っていました。けれど後半やっていて、最初の5分から10分で、『いける』という感覚があり、それが来るのが思ったより早かった。ラスト20分、30分で、そういう感覚になることが多いけど、後半頭でその感覚になっていたところはありました」

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 まさに詰め将棋のように。手を打つごとに、柏がより優位に立ち勝点3を手繰り寄せていった。