【町田】鹿島を下し天皇杯ベスト4、黒田剛監督の記者会見「3点目を取れたことで鹿島さんの気持ちが一気に折れてしまったような印象を受けました」
黒田剛監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「オフサイドを取れるシーンがとても多かった」
[天皇杯 準々決勝] 町田 3–0 鹿島/2025年8月27日18:30/町田GIONスタジアム
天皇杯準々決勝、FC町田ゼルビアが鹿島アントラーズを3-0で下し、クラブ史上初のベスト4進出を決めた。11月16日の準決勝ではFC東京と対戦する。
町田の黒田剛監督は試合後の記者会見で、「日頃の先発メンバーから何人かを入れ替える形で臨んだため、高さの面で多少相手よりも分が悪くなるかなという懸念材料もありましたが、出場した選手たちが奮起してくれました」と、選手たちをたたえた。
「立ち上がりから相手のことを嵌めていこうという狙いがあるなかで、セットプレーからの理想的な先制点と藤尾(翔太)のキープ力を生かした反転シュートから良い形で2点を先行できたことが我々の追い風となりました」
指揮官はオフサイドを多くとれていたことにも言及する。
「最終ラインも菊池(流帆)、岡村大八が不在の中、中山雄太を最終ラインに戻し、選手たちでコミュニケーションを取りながらラインのアップダウンも的確にできていました。オフサイドを取れるシーンがとても多かったです。それほどラインのアップダウンを誠実に実践してくれました。
多少メンバーを代えたり、配置を変えながら相手の動きに対しても、中を締めて的確なスライドもできていました。危ない場面を作らせないようにしっかりとまとまって戦ってくれました」
とはいえ鹿島である。隙を見せないことが重要だった。そして下田北斗のロング弾による3点目で、勝負はあったと感じたという。
「ただ相手は地力があるチームですし、墓穴を掘るようなことがないように、後半のスタートに向けてもネジを巻き直して送り出しました。ハーフタイムを挟みレオ・セアラ選手などが入り、脅威は増しましたが、下田北斗が立ち上がりに素晴らしいダメ押しの3点目を決めてくれました。また3点目を取れたことで鹿島さんの気持ちが一気に折れてしまったような印象を受けました」
そのあとのゲーム運びも盤石だった。
「リードを広げた後は、できるだけボールを動かしながら3-0のスコアのままで時計の針を進めること、飲水タイム以降は交代選手を入れながらチームの強度を高めていくことによって、何度もチャンスを作りました」
公式戦13試合無敗(12勝1分)で、インターナショナルマッチウィーク前、最後の川崎フロンターレ戦に臨む。リーグ戦も首位の京都サンガF.C.から1ポイント差だ。
「前半の決定機は他に2本ほどありました。後半も決定機を作りながら、我々が意図する展開に持ち込めた印象です。ただ次の5連戦の最後の1試合で勝てなければ意味がありません。川崎戦に向けてネジを巻き直し、リーグ戦も勝利できるような準備をしていきます」
そして天皇杯は、初タイトルまで「あと2勝」と迫った。黒田監督はタイトルへの想いを問われ、次のように答えている。
「9月からはACL(エリート)も始まりますが、何かしらのタイトルは一つ獲りたいという話はしていますし、リーグ戦も5位以内を一つの目標に掲げ、優勝を目論みながらシーズンを戦ってきました。前半戦は不用意な失点が多発したことによって、トップから勝点15差ぐらいの時期もありましたが、後半戦から無敗で来ていることは追い上げに繋がっています。
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ただ勝ち点1や2の差は近いようで遠いということも自覚しながら、リーグ戦を戦っていきたいです。クラブが1つのタイトルを獲ることで町田の歴史をもう一歩進めることができるため、最善の準備をし、そして貪欲にタイトルを狙いに行きたいです」