チェルシーFCのスキャンダル、どうなる? 74件の代理人などへの支払いで告発
2019年に来日し、川崎フロンターレと試合を行ったチェルシーFC。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
アブラモヴィッチオーナー時代、選手獲得の裏で…。
イングランド・プレミアリーグのチェルシーFCは9月11日、クラブ公式サイトで「クラブが自主的に報告したイングランドサッカー協会(FA)との協議が、終結に向かっていることを確認いたしました」とする声明を発表した。ロシア人のロマン・アブラモヴィッチ氏がオーナーを担っていた当時、財務関係で問題があったことを確認。自らFAに報告したという。
クラブは次のように伝えている。
「過去の取引に関する財務報告に不備がある可能性が含まれること、およびFA規則に違反する可能性のあることを認識しました。買収完了後、クラブはFAを含むすべての関係規制当局にこれらの事項を自主的に報告しました」
『BBC』によると、アブラモヴィッチオーナー時代、選手獲得の74件で、代理人、仲介グループ、選手の関係者との取引で、問題があった可能性が認められたということだ。
同メディアは「チェルシーへの制裁措置としては、罰金、移籍禁止、勝点剥奪など、様々な選択肢が考えられる」と指摘している。その一方で、「ただしブルーズの協力姿勢も考慮されるだろう」としている。今回、チェルシーサイドが全面的に情報提供に協力しており、“最悪”のケースは免れそうだ。
ロシアのウクライナ侵略により、アブラモヴィッチ氏はチェルシーのオーナーを辞した。すると、様々な財政的な問題が発覚していった。
すでにチェルシーはそのオーナー交代の際、ファイナル・フェアプレー違反が発覚し、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)から860万ポンド(約17億円)の罰金処分が命じられていた。
サッカー界では、これまでも選手の移籍を巡り、実際の契約金などとは別に、関係者(時には監督)に裏のマージンが渡っているケースが後を絶たないとも言われてきた。むしろ他クラブの動向にも注目が集まりそうだ。