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【鹿島-横浜FC】徳田誉の幻ゴール。なぜVARで無効になった!? オフサイドはなし、主審がOFRで確認したファウルは…

鹿島の徳田誉。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

ゴールシーンまで通して、また、別角度の映像も主審に示すべきだったのでは!?

[J1第36節] 鹿島 2–1 横浜FC / 2025年11月8日14:03 / メルカリスタジアム

 J1リーグ第36節、鹿島アントラーズがレオ・セアラと知念慶のゴールで横浜FCに2-1の勝利を収め、首位をキープした。2位・柏レイソルとの勝点1差は変わらず。ただ、次節鹿島が勝ち、柏が敗れれば、9年ぶりのリーグ優勝が決まる。

 この試合の後半アディショナルタイム、徳田誉のゴールかと思われた場面が、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を経て、実に約6分間と長い中断の末に“ノーゴール”と判定された。オフサイド、さらにファウルの有無と、いくつもの確認作業が行われたためだ。

 このシーンでは、副審がまずオフサイドの旗を上げていた。

 VARはオフサイドの有無を確認した結果、徳田がオフサイドポジションにいたものの、その直前のボールは鈴木優磨と競り合った横浜FCのディフェンダーに当たっていた。そのため、オフサイドは「なし」と覆った。

 そこでVARは、ゴールにつながるプレーにファウルがなかったかを一つひとつチェック。鈴木の競り合いはノーファウルとされたようだが、VARはGKヤクブ・スウォビィクと競ったチャヴリッチが腕を絡ませていた場面を問題視し、主審に進言した。

 主審はこのプレーを把握していなかったため、OFR(オン・フィールド・レビュー)で確認。VARの映像を見て、チャヴリッチのファウルと判定し、ゴール無効と判断した。

 ただ、VARから主審に示された映像は、スウォビィクを正面から捉えたものの、かなり遠い位置から撮影されたものであった。徳田がシュートを打つ前の段階を、繰り返し映して“ファウルだ”と強調していた印象だ。

 一方、DAZNで放映された映像では、よりゴール前の競り合いが映し出されていた。そこではチャヴリッチが相手から押され、スウォビィクから引き離そうとしているように見える(ただし、腕の動きは完全には映っていない)。

 この映像も合わせて主審に示した上で、最終判断を仰ぐべきだったのではないかとも感じられる。

 また、徳田がシュートを放つ時点では、スウォビィクは正対していて、その小競り合いの影響はほとんどなかったようにも見受けられた。

 もちろんVARが導入された現在、相手を手で押す・引っ張るといったゴール前での行為は控えるべきだ。その点でチャヴリッチをはじめ鹿島の選手たちはより注意を払う必要がある。

 とはいえ今回の判定は、一つの“流れ”ではなく“点”でファウルを捉えていた感じでもあり、やはり微妙と言わざるを得なかった。

 また会場では、今回、映像は映し出されず。結局、誰の何のファウルだったかは分からないまま。観客のモヤモヤが残ったまま、試合は再開された。

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 鹿島は次節、11月30日にアウェーで東京ヴェルディと対戦する。