久保建英がヒーローになる条件
北朝鮮戦前日練習でのU-19日本代表MF久保建英。(C)SAKANOWA
U-19アジア選手権、何より求められるのは得点に絡む仕事だ。
[U-19アジア選手権] U-19日本代表-U-19北朝鮮代表/2018年10月19日/パカンサリスタジアム(インドネシア)
U-19日本代表のMF久保建英(横浜F・マリノス)が10月19日、U-19アジア選手権の初戦・北朝鮮戦を迎える。今大会に臨む日本のメンバー23人の中で、横浜FCの斉藤光毅とともに最年少17歳での選出となる。
試合前日の練習では(冒頭のみ公開)、スプリント練習で先頭を務めた。あとから続くチームメイトに大きな声を掛けて士気を高めるなど、雰囲気作りにも一役を買っていた。
負傷から復帰した鹿島アントラーズの安部裕葵が合流したことで、攻撃的MFやFWの争いはさらに熾烈にさが増した。同僚であるレフティの堀研太、セレッソ大阪の安藤瑞季も、今回は選ばれなかった。
選ばれたからには──久保はあくまでも勝利とU-20ワールドカップの出場権獲得のためだけに戦うと決意を示した。
「この北朝鮮との初戦に集中してきました。まず明日の試合です」
久保は目の前の試合に懸ける想いを強調する。
「強く行くところは強く行って、冷静さも失わないようにしていければと思います」
北朝鮮戦では、果たして先発なるか。それともジョーカー役に回るのか。
いずれにせよ、そのセンスが必要とされるのは、ゴールがほしいときだ。思い切り目立ってヒーローになるぐらいの気概を、少し見せてみても面白いかもしれない。
「(プロとなって1年が経つが)結果がすべての世界に、自分も入り始めたところです。リーグ戦もそうですけれど、こうしたトーナメント戦では一発勝負になってきます。そういうところでの経験値を蓄えることも必要で、大会をどのように過ごしていくかも大切。みんなもリーグ戦や普段のチームとは違った戦い方が必要になってくると思うので、共有してやっていきたいと思います」
久保がチームとともに、何かを突き抜けるための大会にしたい。その先には、U-20ワールドカップであり”世界“が待っている。年齢など関係なく、その手で、その足で、道を切り開きたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI