【鹿島】優勝への条件は“ノーファウル”でマリノスを冷静に凌駕できるか
鹿島の鈴木優磨(左)とチャヴリッチ。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
ただし、横浜FMはその勢いを力に変えるのが上手い。
[J1 38節] 鹿島 – 横浜FM/2025年12月6日14:00/メルカリスタジアム
鹿島アントラーズがJ1リーグ第38節、優勝を懸けて横浜F・マリノスとのホームでの最終決戦に挑む。
2位の柏レイソルとは勝点1差。鹿島は勝てば自力でタイトルを掴める。
とはいえ横浜FMは現在リーグ4連勝中である。鬼木達監督のもと圧倒するスタイルを目指してきた鹿島だが、この一戦はまさに局面ごとのマッチアップで上回っていけるかどうかが鍵を握る。
もちろん、そんな思い切って立ち向かってくる相手の勢いを逆に生かすように攻勢を仕掛けられるのも、横浜FMの強みである。
デュエルの指標を見ると、チーム内トップは鹿島が知念慶の68回(リーグ23位)、横浜FMが渡辺皓太の46回(89位、鹿島のチャブリッチと同数)。また平均ファウル数は鹿島10.8回、横浜FM11.6回と大きな差はないが、警告数では横浜FMがリーグワーストの65枚、鹿島は50枚と差が開く。
横浜FMはオフザボールでは組織的に対応し、特に不調時はそこで食い止められなかった場合は警告もいとわず止めてきた傾向があった。最近はその点も修正してきている。逆に言えば、その数値にも、現在1位と14位という両チームの差は見て取ることができる。
鹿島としては、こうした揺さぶりにどれだけ冷静に対応できるかがポイントとなる。
エースの鈴木優磨は1-0で勝利を収めた東京ヴェルディ戦のあと、「相手どうこうより、自分たちがどうやって優勝を掴みにいくか。やることは決まっている」と、“勝利あるのみ”とターゲットが明確であることを強調した。
一方、「距離感が悪く、一人ひとりの間隔が広かった」「ミスを恐れて判断が遅くなり、テンポが落ちた」と課題も指摘。そのうえで「修正して前線は厳しいボールでもキープし、ゴール前に迫る回数を増やしていきたい。ヒリヒリする状況だが、勝つだけというのは分かりやすい。全員が積極性を持ってやればいける」と覚悟を示していた。
横浜FMは一つギャップを突ければ、一気に流れを持っていってしまう力を持つ。鹿島が優勝を掴み取るためには、気迫を空回りさせず、冷静さを保って球際でのアグレッシブさを貫き、そこからのゴールへのイメージをスタジアム一体となって共有したい。
タイトルが懸かった90分、鹿島は一つひとつの局面で“ノーファウル”を心掛けて、迫力を持って戦い抜ければ、おのずとゴールへの道を切り開けるはずだ。
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2試合連続でサイドハーフ起用だった鈴木のポジションも気になるところ。このホームでの大一番、レオ・セアラとの2トップが復活するか!?




