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【鹿島-横浜FM】喜田拓也と鈴木優磨が交わした固い握手「彼の背負ってきた大きなものや覚悟が伝わり、本当に格好よかった」

横浜F・マリノスの喜田拓也(左)と鹿島アントラーズの鈴木優磨(右)。(C)SAKANOWA

「知り合いでもないけれど…。 そういう気持ちがあり、『おめでとう』とひと声かけさせてもらいました」

[J1 38節] 鹿島 2-1 横浜FM / 2025年12月6日14:03 / メルカリスタジアム

 J1リーグ最終38節、鹿島アントラーズがレオ・セアラの2ゴールで横浜F・マリノスに2―1の勝利を収めて勝点76に伸ばし、2位の柏レイソルと勝点1差で、9年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。リーグ最多となる通算9度目のJ1制覇。

 サイドハーフで先発しフル出場したエースの鈴木優磨は、優勝決定を告げる主審の笛が鳴ると咆哮を上げたあと、静かに喜びを噛みしめた。鹿島のチームメイトたちと喜び、横浜FMの選手たちとも健闘を称えた。

 すると横浜FMのキャプテン喜田拓也と固く握手を交わし、長く抱擁した。

「まずシンプルに『おめでとう』と伝えました」

 喜田は試合後、鈴木と言葉を交わしたこの場面について語ってくれた。

「なんと言えばいいのか、彼の気持ちが分かるというか……。すごく大きなものを背負い続けて、このリーグ優勝に辿り着いたと思います。クラブを引っ張ってきて、本当に彼が背負ってきたものは大きかったはずです。決していいことばかりではなかったとも思います」

 喜田自身もキャプテンとして戦い、優勝シャーレを掲げた経験がある。それだけに、その言葉には重みがある。

「その覚悟というか、自分にも分かるところがあります。まあ、おこがましいですけど(笑)。最後、あのように結実させたという意味で、彼は本当に格好よかったと思います。もちろん選手としても素晴らしいですが、一人の人間としてもリスペクトしています。知り合いでもないし、ゆっくり話したこともないんですけど。そういう気持ちがあって『おめでとう』と声をかけました」

 鈴木自身も試合後、まさに喜田の言葉どおり、葛藤と想像以上の責任を抱き、ただ鹿島にタイトルをもたらすために戦ってきたと語っていた。

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 鹿島と横浜FMを、それぞれクラブの中心に立ち頂点へと導いた。そんな二人にしか分かり合えない熱い感情が、メルカリスタジアムのピッチ上で、2025シーズンの最後に交錯した。

Posted by 塚越始