不正賭博関与の檀崎竜孔に豪州FA『7年間活動禁止』、さらに28歳の日本人FWも対象。「故意にイエローカードを受ける行為」。北海道コンサドーレ札幌、ジェフ千葉でもプレーした元U-18日本代表
8月にこの事件を受けてオーストラリアの裁判所へ出廷する檀崎竜孔。写真:AAP/アフロ
異議申し立てせず、処分を受け入れる。
オーストラリア・フットボール協会(Football Australia、FA)は12月19日、不正賭博(スポット・フィクシング)に関与したとして、Aリーグに関係していた4選手に対する処分を発表した。そのなかで、元U-18日本代表MF檀崎竜孔(Riku DANZAKI、25歳)には、7年間に及ぶサッカー関連活動の全面禁止という極めて重い制裁が科された。
FAの公式発表によると、檀崎は2025年6月1日付で「暫定処分(ノーフォルト・インタリム・サスペンション)」を受けており、そこから起算して7年間、選手・指導・運営など、あらゆるフットボール活動への関与が禁じられる。処分解除は2032年6月1日。復帰時には32歳を迎える計算で、キャリアへの影響は計り知れない。
『デイリーメール』によると、檀崎はスポット・フィクシングに関わる事案で、試合中に意図的にイエローカードを受ける行為に関与したとされている。同紙は「元ウェスタン・ユナイテッドFCの檀崎は、賭博の結果を成立させるため、警告を受ける行動を取ったとして、FAから7年間の追放処分を受けた」と報道。檀崎本人は異議申し立てを行わず、処分を受け入れたという。
今回の制裁では、檀崎のほか、日本人選手の平山勇太(Yuta Hirayama)も同様に7年間の活動停止処分を科された。FAの発表によれば、平山も檀崎と同じ事案に関与し、賭博の対象となる事象を成立させるため、試合中のプレーにおいて不正に関与したと判断されたという。両者はともに、異議申し立ての権利を行使せず、制裁を受け入れている。
一方、別のスポット・フィクシング事件に関与したクレイトン・ルイスとキーラン・バッカスには5年間の出場停止処分が下された。両者は200時間の無償コミュニティサービスを履行することで、処分期間が1年短縮される可能性があるとされている。
檀崎は宮城県出身。青森山田高校時代には「10番」を背負い、キャプテンとして全国高校サッカー選手権を二度制覇。世代屈指のアタッカーとして注目を集め、U-18日本代表にも選出された。その後、北海道コンサドーレ札幌を皮切りに、ブリスベン・ロアーFC、ジェフユナイテッド市原・千葉、マザーウェルFCを経て、2023年からウェスタン・ユナイテッドでプレーしてきた。
今季は右ウイングを主戦場に、Aリーグ(プレーオフを含む)29試合に出場し、4得点・9アシストを記録。主力の一人として活躍していた矢先での不祥事だった。
FAは声明で「これらの制裁は、競技の健全性と信頼を守るために不可欠なもの」と強調。「処分には、違反行為への厳正な対応と同時に、更生と教育の側面も含まれている」と説明している。しかし、7年間という異例の長期追放は、檀崎、平山の両選手にとって、事実上プロキャリアの終焉を意味する重さを持つ。
関連記事>>豪州Aリーグ檀崎竜孔が八百長の疑いで逮捕・起訴、所属先のウェスタン・ユナイテッドも声明。過去にコンサドーレ札幌、ジェフ千葉でプレー
日本サッカー界の将来を嘱望されたタレントが、海外生活で孤独を強いられるなか接触してきた人物に狙われる形になった背景があると見られ、結果、厳しい現実に直面することになった。




