【U-19日本代表】決戦は週末。齊藤未月が「湘南のルヴァン杯優勝に続きたい」
イラク戦で途中出場し、勝利に貢献した齊藤未月。(C)AFC
日本のキャプテンが、準々決勝にしっかり照準を合わせ調子を上げてきた。
[U-19アジア選手権 GS3節] 日本 5-0 イラク/2018年10月25日/パカンサリ/インドネシア
U-19日本代表がグループステージ(GS)B組・最終節U-19イラク代表戦、5-0の大勝を収めて、3連勝で準々決勝に臨むことになった。勝てば来年のU-20ワールドカップの出場権を獲得できる準々決勝は28日に行われ、日本はホスト国のインドネシアと対戦する。
前節のタイ戦に先発していた齊藤未月(湘南ベルマーレ)はイラク戦、64分に藤本寛也(東京ヴェルディ)と交代してボランチに入った。チーム全体の安定感をもたらすとともに、1点を返そうとする相手に対し、むしろさらに推進力をもたらし、投入されたあとに、原大智(FC東京)、斉藤光毅(横浜FC)と追加点を奪った。
1、2試合目よりもゲーム運びがスムーズになった点について、齊藤は手応えを得ていた。
「試合を重ねるごとにレベルアップしていかないといけない。今日は『行くところ』『行かないところ』を、よりハッキリさせてプレーできました。ディフェンスや前線の選手だったり、ボランチを含め、みんなで声を掛け合い、しっかり考えながらプレーできています。(齊藤自身も)やるべきことをより明確にしてできました」
今大会初の無失点。加えて北朝鮮戦(試合終盤に相手に退場者が出ていた)に続く5ゴール。何よりアタッカー陣が揃って活躍した。ベンチにいる間、ゴールが決まれば斉藤をはじめ全員で飛び出して喜んだ。
「秋葉さん(忠宏コーチ)と、点を取ったらいこう! という話をしていました。やはり点を取れたら嬉しいですし、みんなで喜ぼうよと」
28日の日曜日は、ホスト国のインドネシアと準々決勝で対戦する。勝てば来年のU-20ワールドカップの出場権を獲得できる。この大会では、決勝戦以上に重要な一戦。首都ジャカルタでの一戦は約5万~7万人で埋まることも予想される。
「ここから緊張感がどんどん高まってくると思います。けれど、日本の選手はみんなが勝ちだけを求めて一つになれています。何としても勝ちます。むしろ、ここからが本番。(28日まで時間は限られるが)どれだけ、良い準備ができるかが大切です」
あくまでも準々決勝に照準に当ててきた。実際、チームとして、このまま調整していければ、最高の状態で28日の決戦に臨めそうだ。
その準々決勝の前日には、湘南がルヴァンカップ決勝に臨む。齊藤はチームへこんなメッセージを送っていた。
「週末、僕たちの準々決勝の前日にルヴァンカップの決勝がありますからね。そこで湘南が優勝を果たして、さらに僕たちも決めたい。二つとも果たせて日本に帰ることができたら、最高ですね」
決戦は週末。湘南のルヴァンカップ初優勝で気持ちよく、同じ湘南下部組織出身の石原広教とともに日曜日のU-19アジア選手権準々決勝に臨む――。もちろん横浜F・マリノスの山田康太と久保建英も同じ気持ちでいるはずだが……。U-19日本代表のキャプテン齊藤は、27日土曜日の日本からの吉報を待ちわびている。
インドネシアの地で、齊藤と石原、ともにU-19日本代表の貴重な戦力としてタフに戦い、ひと回りも、ふた回りも逞しさを増している。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI