U-19日本代表が警戒すべきはロシアW杯コロンビアのような”三重罰”
U-19日本代表。(C)AFC
勝てばU-20W杯出場権を獲得できる準々決勝インドネシア戦。会場周辺はカオス。
[U-19アジア選手権 準々決勝] 日本 – インドネシア/2018年10月28日現地19:30(日本時間21:30)/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム/ジャカルタ
U-19日本代表が28日夜、U-19アジア選手権の準々決勝・インドネシア戦に臨む。勝てば来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ(W杯)への2大会連続での出場権を獲得する。インドネシアが勝てば史上初の世界大会出場。
日本はグループステージB組で北朝鮮戦(〇5-2)、タイ戦(〇3-1)、イラク戦(〇5-0)と3連勝を収め、計13得点3失点で1位突破した。試合を重ねるごとにコンビネーションも高めていて、日本の影山雅永監督は「しっかりこの準々決勝に向けて仕上げてきたのはさすが。誰を起用すべきか本当に悩ましい」と目を細めるほどだ。
多くの選手がJリーグの主力としてプレーしていることがこのチームの強みの一つ。そのプロフェッショナルな意識の高さをこのアジアの舞台でも示し、むしろレベルの高い選手が生活をともにすることで、さらに高めている。
実際、他チームの試合などを見ても、日本のプレッシングやリトリート、スペースへのフォローなどを当たり前にこなしているチームは見当たらない。そういったチームプレーを”当たり前”にできているからこそ、守備から攻撃への切り替えもスムーズで、アタッカー陣も気持ちよくプレーできて、大量ゴールも生まれている。そんな好循環が生まれている。
一方、インドネシアはホームの大歓声を味方につけ、グループ3節のUAE(アラブ首長国連邦)戦では退場者を出しながらも、1-0の勝利を収めてグループA組2位で決勝トーナメントにコマを進めた。試合ごとに自信を深めている印象を受ける。
日本は3月にこの大会を想定し、インドネシア遠征を実施。今回と同じスタジアムでのU-19インドネシア代表とのテストマッチでは、今回チーム最多3得点を決めている宮代大聖(川崎フロンターレU-19)の2得点、山田康太(横浜F・マリノス)の1ゴールなど、4-1で勝利を収めている。「あのときから、この対戦は運命的だったのかもしれない」と影山監督も言うほど用意は周到だ。
6万5000枚のチケットが完売したと言われ、ジャカルタのゲレロ・ブン・カルノ・スタジアム(最大7万7193人収容)はまさにアウェー一色に染まる。ただ、選手たちはむしろその環境でプレーできることを歓迎している。影山監督も「選手として経験できるかどうかの舞台。コーチの秋葉も俺も試合に出たいと言っているほどです」と語っていた。
日本が警戒すべきは、レッドカードなどのアクシデントか。
インドネシアも挑発的なチームではなく、荒れた展開になるケースはあまり考えられない。挑発されたとしても、日本の選手が乗ることもないだろう。
ただ北朝鮮戦での2失点のうち1点は、DFが背後をとられて、相手選手の背中を押してPKを与えたものだった。主審によってはレッドカードが出ていた可能性もあった。そのようなファウルになりそうなシーンでは、より繊細に対応したい。
あとは不可抗力とも言えるが、ハンドのファウルにも気を付けたい。
ある意味、ロシアW杯の日本対コロンビア戦(〇1-0)で、開始3分にコロンビアが日本に与えた「ハンド+PK+退場」のような三重罰。あのようなシチュエーションを、日本がインドネシアに与えなければ……大丈夫ではないか。
影山監督も「何が起きるかは分からない」と語っており、あらゆる状況への対策が、スタッフを含めチーム全体として求められる。また、DFリーダーの橋岡大樹も「カードをこわがるようなプレーはしない。ただ、もともとイエローやレッドカードをもらうようなプレーはしてきていないので問題ない。大丈夫です」と語っていた。試合の雰囲気にさえ飲まれければいいが。
試合を控え、会場周辺はまさにカオス。会場周辺は人で溢れ返り、まさに足の踏み場もないような状況になっている。おそらく、チケットを持たないもおの、とりあえずスタジアムまで来た人も多いようだ。
この日曜日、インドネシア最大の祭典と化した一戦。日本がいったいどのようなパフォーマンスを見せるのか――。試合は現地時間19:30、日本時間の21:30開始だ。
文:サカノワ編集グループ