「どこがゴール裏か分からないぐらい」久保建英がアウェー6万人を最後は魅了する
U-19アジア選手権に臨んだ久保建英。(C)AFC
U-19アジア選手権、明日はサウジアラビアとの準決勝。
[U-19アジア選手権 準決勝] U-19日本代表 – U-19サウジアラビア代表/2018年11月1日/パカンサリ(インドネシア)
U-19日本代表の久保建英が10月28日にゲロラ・ブン・カルノで行われたU-19アジア選手権・準々決勝のインドネシア戦、4-4-2のFWと右MFでプレーし、71分には宮代大聖のチーム2点目となる試合を決定づけるゴールをアシスト。来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ(W杯)の出場権獲得に大きく貢献した。
久保が強心臓ぶりを発揮したのが、むしろ6万人の大アウェーに包まれた首都ジャカルタ決戦の雰囲気を堪能しながらプレーしていたことだった。
「最初、みんなスピーカーを持っているのかと思うぐらい、全員の声が大きかった。日本の雰囲気とは違って、みんながみんな声がとても大きい。どこがゴール裏なのか分からないぐらいに」
ボールを奪う、カウンターに持ち込む、CKを奪う、逆にCKをクリアする……攻撃でも、守備でも、あらゆるインドネシアの”ポジティブなプレー”に拍手が起きる。むしろ、そのようにインドネシアの選手をサポートする雰囲気に、久保も新たな世界に触れたようなタフなプレーで応えた。
「それはなんだか、楽しいですね。盛り上がってくれて」
途中からは雷も伴う猛烈な豪雨に見舞われ、ミスが失点にも直結しかねない状況が続いた。試合前には「自分たちで思い込み『厳しい戦い』にしてはいけない」と言っていた。そのような心構えで試合に臨めたが、実際は「いや、厳しかったです」と苦笑いを浮かべた。
「最終的には勝つことが大前提。ただ、この仲間とやって、仮に負けたとしても、後悔だけはしないなと思えるチームが、闘えるチームだと思います」
そう久保は言った。
試合後はインドネシアサポーターから日本の選手たちにも拍手が送られた。「JAPAN 9・KUBO」は、このインドネシア最大のスタジアムに集結した6万人をしっかり魅了していた。
11月1日はサウジアラビアとの準決勝に臨む。久保は「この大会、二つの目標がありました。まずU-20杯の出場権を獲得するという一つを叶えられたので、次の目標である優勝に向けて、しっかり切り替えての臨みます」と、あと2つ勝ち、アジア無敗のまま日本へ帰る覚悟だ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI