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久保建英が日本をU-20W杯へ導くアシスト。でも少し不満だった理由は?

U-19日本代表での久保建英(9番)。(C)AFC

CFで先発し、途中から右MFにシフト。縦への突破から折り返し宮代大聖のゴールをもたらしたが、その直後…。

[U-19アジア選手権準々決勝] 日本 2-0 インドネシア/2018年10月28日/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム(ジャカルタ)

 来年のU-20ワールドカップ(W杯)の出場権を懸けたU-19アジア選手権の準々決勝インドネシア戦、U-19日本代表の久保建英(横浜F・マリノス)が試合を決定づける宮代大聖(川崎フロンターレU-18)のチーム2点目のゴールをアシストしてみせた。6万人を超える観客がスタンドを赤一色に染め、地鳴りがするほどの大歓声でホームチームを後押しする完全アウェーの中、日本の「9番」はむしろその雰囲気を堪能するように、大仕事をやってのけた。

 この日の久保は4-4-2の2トップで先発。チーム最多3ゴールを決めている宮代大聖と最前線でプレーしたものの、ほぼ5バックで守る相手を攻略できない。東俊希(サンフレッチェ広島)のスーパーミドルが飛び出したものの、その後も攻めあぐねた。

 そして後半途中の田川亨介(サガン鳥栖)の投入とともに、久保は右MFにシフトする。

「右サイドに入ってからは、縦に仕掛けることを意識していました。監督とも話をして、相手は5枚で守り、さらにボランチも引いてきているなか、いつもであれば外国のチームとやるときに空いているスペースがなく、そういうときのアドバイスを受けました。後半に入ると、相手も間延びしてきたので、カウンターで狙っていきました」

 そのように振り返った久保。迎えた71分、右サイドを久保が縦に仕掛けて相手を置き去る。そして「大聖が見えた」と正確に折り返し、待望のチーム2点目をもたらした。

「(ゴールが決まる)5分、10分ぐらい前から、何回も抜けることができていたので、余裕を持って中を見ていました。大聖がとてもトラップが上手かったので、あとは入るだろうなと思って見ていたら、しっかり決めてくれました」

 再三にわたりチャンスを作っていただけに、ゴールの”予感”はしていたという。ただ久保が少し残念だったというのはその直後のことだ。

「でも全然、俺のほうに来てくれなくって。ああベンチに行くだろうな、とは思いましたけれど。まず、こっちに来てくれよって感じでした」

 ちょっとそこは残念だったよう。

 17歳の久保、18歳の宮代。2トップからFW+右MFの位置関係になって、二人の距離感やバランスも良化した。その若き二人が刺激し合い、高め合いながら決めた、日本と世界をつなげる貴重なゴールとなった。

 これで来年のU-20ワールドカップの出場権を獲得した。

 久保はさらなる向上心を示す。

「最後はピッチ脇で見ていましたが、笛が鳴った瞬間に倒れ込む選手もいて、ほっとしたというか、まだこのチームが解散せずに済んだなって思えて。またすぐ切り替えます。次の目標は優勝。一つ目(U-20W杯出場権獲得)はクリアできました。二つ目もしっかり達成して、日本に帰りたいと思います」

 今大会、先発した3試合すべてでゴールに絡んできた。その活躍ぶりはインドネシアのメディアにも大々的に取り上げられ、今大会、最注目選手の一人に挙げられている。そんな久保がジャカルタの地でさらにタフになって、世界への挑戦権を手に入れた。

文:サカノワ編集グループ

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