【戦評】レアル久保が失点直結ミス…しかし強烈ミドルで最後に「爪痕」を残す
久保建英。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
約30分間プレー、左足を振り抜いて3点目につなげる。
[ICC] レアル・マドリード 3-7 アトレティコ・マドリード/2019年7月26日(日本時間27日)/メットライフ・スタジアム(アメリカ・ニュージャージー州)
アメリカ遠征中のレアル・マドリードは日本時間7月27日、「インターナショナル・チャンピオンズ・カップ」(ICC)最終戦でアトレティコ・マドリードと対戦し、米国初開催の「ダービー」で3-7と屈辱の大敗を喫した。
3試合連続でベンチスタートだった久保建英は、1-6のスコアで迎えた62分、ルカ・モドリッチと代わってピッチに立った。
第1戦のバイエルン・ミュンヘン戦(●1-3)はトップ下に入ったが、今回4-2-3-1のボランチでプレー。投入直後に、4ゴールを奪っていたアトレティコのディエゴ・コスタとレアルのダニエル・カルバハルの二人が一発レッドカードで退場処分になる乱闘騒ぎがあり、スタジアムは一時騒然となった……。そのあとはトップ下気味に入った久保は70分、縦パスを放ったがビトーロにボールを奪われてしまう。久保はスライディングに行ってボールを奪い返そうとしたもののかわされ、そのまま持ち込まれて屈辱の7失点目を叩き込まれた。
ただ、久保も「爪痕」を残した。
カリム・ベンゼマのPKで1点を返して2-7としたあと、試合終了間際の89分だった。
ミドルレンジでパスを受けた背番号「26」の久保は、躊躇わず左足を振り抜く。するとボールは一直線にゴールへ向かい、アトレティコのスロベニア代表GKヤン・オブラクが横っ飛びをしてセーブ。このこぼれ球をつないで、久保と同じくカスティージャ所属のハビ・エルナンデスが決めた。
結局、レアルは3-7のスコアで大敗を喫した。このシリーズは、アーセナルにPK戦で勝利をしたが、あとは2敗。プレシーズンマッチであり、相手がレアルを倒そうと注力してきていた状況だったとはいえ……90分間では一度も勝てなかった。
この遠征でトップチームに帯同した久保は、マッチアップ時の守備が課題になると感じさせた一方、その左足がチームの武器になり得ることを改めて示した。今回、主審はアディショナルタイムを取らず、90分で試合終了の笛を吹いた。まさに最後の最後に、久保は「爪痕」を残したと言えた。
完敗のなかで数少ない収穫にもなったように感じるが……。果たしてジネディーヌ・ジダン監督は、久保のプレーをどのように評価するのか。
このあとレアル・マドリードは欧州に戻り、現地7月30日にアウディカップのトッテナム・ホットスパー戦(準決勝)、さらに8月7日にザルツブルクでRBザルツブルクと対戦。そして8月17日のセルタ・デ・ビーゴとのラ・リーガ開幕戦に臨む。
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[文:サカノワ編集グループ]