日本代表“礼賛”は危険、ヴェンゲルがW杯分析「アジアは強度もスピードもついていけなかった」
北中米W杯で試合観戦に訪れるアーセン・ヴェンゲル氏。写真:AFLO
「技術的なクオリティも備えていなかった」
FIFAのグローバルサッカー開発責任者を務めるアーセナルFC、名古屋グランパスの元監督であるアーセン・ヴェンゲル氏(Arsene Wenger)がこのほど、ベスト8が出揃ったFIFA北中米ワールドカップ(北中米W杯)の傾向を分析した。そのなかで、ラウンド32までにアジア勢の全チームが敗退したことについて「試合のテンポが上がった。アジア勢はその強度とスピードについていけていない」と語った。
3大会連続のグループステージ突破を果たした日本代表だが、本当に世界の頂点に近づけているのか? 世界で個を磨いて、ハードワークをして耐えて一発を狙う――。その戦いで、本当にトップを狙えるのか。
そんな課題も突き付けられるなか、ヴェンゲル氏が、アジア勢のパフォーマンスの低さについて分析した。『ミラー』など複数メディアが7月9日までに報じた。
ヴェンゲル氏は「試合のテンポが上がっている。そのスピードに対応できなければ戦えない」と指摘。そのうえで、「例えば、アジア勢は試合の強度とスピードについていけず、すべて敗退した。さらに、本当の意味で競争していくための技術的なクオリティも備えていなかった」と、強度、スピード、そして技術のいずれも世界トップレベルには届いていないとの見方を示した。
また、準々決勝以降についてはスペイン代表に注目。「私にとって本当の注目はスペインだ。フランスを倒せるチームがあるとすれば、それはスペインだと思う」として、「フランスより高い技術力を持ち、世界のどこにも負けない集団的なフットボール文化があるからだ」と理由を語っている。
アジア勢では、日本とオーストラリアがラウンド32に進出。他はいずれもグループステージで敗退している。
日本代表の「個」は伸びているが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の優勝を争うクラブのレギュラークラスはいない。一方、今大会ではプレミアリーグやラ・リーガだけでなく、ドイツ・ブンデスリーガ、フランスリーグ(リーグ・アン)、セリエAで優勝を争うクラブの前線を担うタレントたちの活躍も顕著だった。
ヴェンゲル氏は、決して日本を名指ししたわけではない。ただ、アジア全体に対して、サッカーの求められるあらゆる要素が世界のトップレベルに届いていないとの見解が示された。国内では“礼賛”される森保一監督率いる日本代表だが、こうした声にも真摯に耳を傾けたい。
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