山本由伸「運命の1球」、なぜウィル・スミスはABSチャレンジしなかった?ドジャースはNLCSブルワーズに痛恨2連敗

ドジャースの山本由伸。写真:AP/アフロ

まだ序盤、権利を温存? それとも山本の合図を見逃した?

[MLB NLCS 第2戦]ブルワーズ 7-4 ドジャース/2026年10月13日(日本時間)/アメリカンファミリー・フィールド

 アメリカ・メジャーリーグベースボール(MLB)ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第2戦、ロサンゼルス・ドジャースはミルウォーキー・ブルワーズに4-7で敗れ、シリーズ2連敗を喫した。この試合では、先発した山本由伸が3回に際どい投球をストライクと判定されなかった際、捕手のウィル・スミスがABSチャレンジを要求しなかった場面が注目を集めた。

 問題の場面は3回1死二塁。山本はブルワーズのブライス・トゥラングに対し、フルカウントから外角へのカッターを投じた。ストライクゾーンかすめたように見える1球だったが、球審の判定はボール。これでトゥラングは四球で出塁した。

 山本は帽子に手をやり、スミスにチャレンジを求めるかのような仕草を見せた。しかし、スミスはABSチャレンジを行使せず、判定は覆らないまま試合が続行された。

 MLB公式サイトも、この投球はストライクゾーンの外角をかすめ、三振となる可能性があったと報道。スミスがチャレンジを要求しなかったため、トゥラングは出塁したと伝えている。

 ドジャースは1回にも、トゥラングに対する判定でチャレンジを行使しなかった。この打席では、チャレンジしていれば三振となっていた可能性があり、トゥラングは二塁打を放ち、同点のホームを踏んだ。

 3回の場面では、トゥラングの四球後、山本は続くジェイク・バウアーズとの対戦で12球を要し、四球を与えて満塁とした。さらにクリスチャン・イエリッチに2点適時打を浴び、山本はこの回途中で降板した。

 ABS(Automated Ball-Strike System)は、投球がストライクゾーンを通過したかを判定するシステム。選手側が判定に異議を申し立てるチャレンジ制度では、判定が覆れば権利を維持できる一方、失敗すればチャレンジ権を失う。

 スミスがチャレンジを行使しなかった理由は、試合後も明かされていない。ただ、まだ3回であり、先の勝負どころに備えてチャレンジ権を温存する判断だった可能性はある。一方、投球をボールと判断したのか、あるいは山本が帽子に手をやった合図を認識できなかったのか。限られた時間で下す捕手の判断が、試合の流れを大きく左右した。

 いずれにせよ、山本の投じた際どい勝負球を巡る判断は、結果的にドジャースにとって悔やまれる“運命の1球”となった。シリーズを左右する場面になったかもしれない――。

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