試練を迎える久保裕也。勝負の「代表ウィーク明け」に
ニュルンベルクの久保裕也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「好調時は信じられないほどいい選手」とニュルンベルクの同僚にも認められるが、これまでノーゴール。
1.FCニュルンベルクのFW久保裕也が試練のときを迎えている。
今季ベルギーリーグのKAAゲントから加入し、開幕から前線のレギュラーとして出場してきた。しかし、これまで新天地では公式戦9試合ノーゴールと結果を残せずにいる(リーグ8試合、DFBカップ1試合)。
久保は10月31日のDFBカップ2回戦ハンザ・ロストック戦(2-2からPK戦6-4でニュルンベルク勝利)で先発したものの、いいところなく60分に途中交代を告げられた。するとその後の2試合で出場機会を得られず、直近の11月10日のリーグ11節シュツットガルト戦(●0-2)で初めてベンチ外になった。
ドイツ大衆紙『ビルト』のWEB版は11月13日、ベンチ外の理由について、ニュルンベルクのミヒャエル・ケルナー監督は軽傷を負っていることを示唆したものの、スポーツダイレクターは十分なコンディションではないからだと説明していたとレポートしている。
50万ユーロ(約7000万円)で獲得したクラブとしても期待のタレント――。久保は間もなく戦列に戻るのか?
その質問にケルナー監督は次のように答えている。
「久保は国際Aマッチの中断期間を利用して、再び力を蓄える時間が必要だ。そうすることで、彼は次のフェイズに向かえるはずだ」
さらに同僚であるキャプテンのハノ・ベーレンスの久保についてのコメントも紹介されている。
「トップフォームの裕也は信じられないほど良いプレーヤーだ。ただ、そのフェイズでのプレーをなかなか継続できずにいる。仕方ないよ、彼にとって初めてのドイツでの挑戦なのだから。ただ1日も早く100パーセントの調子を取り戻してもらいたい」
そのように久保の実力は、チームメイトからも高く認められている。また久保のドイツ語でのコミュニケーション力も高く、同僚から一目置かれる存在でもある。
現在のニュルンベルクは2勝4分5敗の15位。国際Aマッチの中断期間が明ける今週末の24日には、14位に低迷するシャルケ04とアウェーで対戦する。果たして久保のコンディションはいかに。ベンチ入りは、もしくは先発はあるのか?
ひとつキッカケを掴み、チームを浮上させる救世主の存在になりたい。さらには――再び日本代表の争いにも加わっていきたい。年内のリーグ戦は残り6試合、久保にとっては”勝負の年の瀬”になる。
文:サカノワ編集グループ