長谷部誠「遅刻」「寝坊」は一度もなし。「みんなへのリスペクトにもつながる」

埼玉スタジアムで講話した長谷部誠。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

浦和の下部組織の選手たちに講話。藤枝東高時代の『ライン引き係』のエピソードも披露。

[J1 13節] 浦和 – 広島/2019年5月26日/埼玉スタジアム2〇〇2

 アイントラハト・フランクフルトの長谷部誠が5月26日、サンフレッチェ広島戦の行われる埼玉スタジアムでのイベントに参加。そのなかで、ブンデスリーガとの共同企画で、浦和ユース、浦和ジュニアユースの選手たちへの講話会が行われ、長谷部が中学高校時代の経験を伝えるとともに、「大事なのはこれから」と強調した。

 講話会はまず司会者から、そのあと選手たちからの質問に答える形で進められた。

 そのなかで司会者から聞かれたのが、「長谷部選手はあらゆる時に遅刻を絶対にしないそうですね?」という質問だった。

 長谷部にとって、時間を守るのは「当たり前」。そのことを聞かれることにむしろ驚き、次のように語った。

「母親から特に、時間を守ることについて小中学校の時からかなり厳しく、ずっと言われてきました。そのころから一度も遅刻をしたことがなく、時間を守るのは当たり前という意識は常にあります」

 それは団体行動でも重要なことだと強調した。

「時間を守ることは、自分のみのルールではなく、チームの規律にもつながります。仲間、コーチ、いろんな人たちをリスペクトする意味でも、すごく大事」

 そして、長谷部は「遅刻魔はいるの?」と、集まっていた選手たちに聞いた。すると、ある選手がみんなから指をさされた。

「なんで? 寝坊? どうしたら、寝坊するんだ。目覚まし時計、10個ぐらいかけておけ! 自宅なの? まず誰かに手伝ってもらってもいいと思う。ただ、それでは迷惑をかけるだけ。最後、それは君の問題だよ。なんとかしないと」

 そのように長谷部は真剣に言った。そして高校時代、ライン引き係を担当していた話に。

「僕は高校時代、『ライン係』でした。だから誰よりも早く行って、ペナルティエリアとかすべて白線を引いて、そのあとに少し自分が練習する時間を作っていました。そのように時間に余裕をもって行動することで、心の余裕も生まれ、時間に追われることのない生活をするようにしていました。それはいつも。自分にとっては当たり前でも、人にとっては当たり前ではなかったりします。だから、みんなもいろんな経験をして、自分の中で作り上げていってほしいです」

 そのように自身の高校時代の経験を伝えた。

 浦和で2002年から6年間プレーし、ドイツでのキャリアは2007年から12シーズン目を迎える。そして35歳でもトップレベルでプレーを続けている。ある面では日本よりも規律が徹底されているドイツでの生活が長谷部に合っている――そんなことが分かるエピソードでもあった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

Ads

Ads