サウジ戦データ検証│日本は「守りのチーム」?クリア39本、支配率24%…
アジアカップ日本対サウジアラビア戦のプレーエリアのヒートマップ(日本の攻撃方向→)。左サイドが常に押し込まれていたことが分かる。※AFCまとめ
ブロックした相手シュート数が、日本の総シュート数を上回る。ボランチからビルドアップできず…。
[アジアカップ ラウンド16] 日本 1-0 サウジアラビア/2019年1月21日/シャルジャ・スタジアム
UAEアジアカップ決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)、日本代表が冨安健洋の国際Aマッチ初ゴールによる1点を守り切り、サウジアラビアに辛勝を収め、ベスト8進出を果たした。
日本は開始20分に先制できたこともあるが、ボール支配率23.8パーセント対76.2パーセントとほぼ一方的にボールを握られた。それでもクリア数39本対7本、タックル数20回対7回、ファウル数27回対13回が物語るように、最終ラインを中心にサウジアラビアの猛攻を耐え抜いて逃げ切った。シュート数も5本対15本、枠内シュートは2本対1本、ブロックされたシュート2本対6本。日本がブロックした相手シュート数(6本)が、日本の総シュート(5本)を上回っている。
もちろん、新たに発足したチームが進化を遂げるには、こうした耐え抜く展開であり経験も重要だ。勝って得るものは大きい。
ただ、気になるのは、グループリーグに続き攻撃に迫力を生み出せずにいること。大迫勇也や中島翔哉がいれば展開は変わっていたかもしれないが、それ以前のボランチを中心としたビルドアップがずっとままならずにいる。原口元気もチームプレーに徹しすぎて、持ち味の突破を発揮できずにいる印象だ。図1はこの試合のプレーエリアが多かった部分が強調されるヒートマップだが(日本の攻撃方向→)、サイドをほとんど活用できずにいたことが分かる。
次戦は中2日で準々決勝のベトナム戦である。森保一監督がどのあたりに修正を施してくるのか。メンバー構成を含め、どのような対策を練ってくるのか。指揮官にとっても濃密かつ貴重な経験になりそうである。
日本対サウジアラビアの両チームのデータは次の通り。
□日本対サウジアラビア戦
データ DATA
※AFCまとめ
日本 サウジアラビア
得点数 1点 0点
シュート 5本 15本
枠内シュート 2本 1本
ブロックシュート 2本 6本
枠外シュート 0本 8本
ボール支配率 23.8% 76.2%
デュエル勝率 51.5% 48.5%
空中戦勝率 56.5% 43.5%
インターセプト 10本 4本
オフサイド 0回 3回
コーナーキック 4本 6本
パス数 197本 655本
ロングパス 76本 77本
パス成功率 60.4% 83.5%
敵陣パス成功率 44.1% 73.8%
クロス本数 17本 34本
クロス成功率 23.5% 11.8%
タックル数 20回 7回
タックル成功率 55.0% 57.1%
ファウル数 27回 13回
イエローカード 1枚 2枚
レッドカード 0枚 0枚
文:サカノワ編集グループ