本数半減…しかし柴崎岳のパスに”前向き”な変化の兆し
図1)サウジアラビア戦で柴崎がつないだパス方向。本数は少ないものの、ゴール前やバイタルエリアへの数が、サウジアラビア戦よりも増えている(日本の攻撃方向→)。※AFCまとめ
つないだパスはオマーン戦「50本」からサウジ戦「22本」に。しかし内訳を見ると…。
[アジアカップ 準々決勝] 日本- ベトナム/2019年1月24日(日本時間22時)/アール・マクトゥーム・スタジアム
アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のAFCアジアカップ2019の準々決勝、日本代表対ベトナム代表が1月24日現地時間17時(日本時間22時)から行われる。FIFAランキングは日本が50位、ベトナムは100位。
決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦ではボールポゼッション率で日本が23.8パーセント、サウジアラビアが76.2パーセントと、大幅に相手に上回られたことがトピックスとして注目を集めた。
そのなかで日本代表でパスを最もつないだのが、柴崎岳だった。AFC(アジアサッカー連盟)のまとめによると、柴崎がつないだパス本数は「22本」。決して多いとは言えない。
□日本×サウジアラビア戦
▽柴崎のパス出し手ランキング
順位:受け手 パス数
1位:吉田麻也 3
1位:冨安健洋 3
1位:堂安律 3
1位:南野拓実 3
※柴崎のつないだパス数:22本
ただ、ゴール前やバイタルエリアへの数は、柴崎が先に臨んグループステージのオマーン戦(○1-0)よりも増えていた。
上記(図1)がサウジアラビア戦、下記(図2)がオマーン戦での柴崎がつないだパスの方向を図にしたもの。
□日本×オマーン戦
▽柴崎のパス出し手ランキング
順位:受け手 パス数
1位:吉田麻也 14
2位:冨安健洋 10
3位:堂安律 5
※柴崎のつないだパス数:50本
パス数自体はオマーン戦(50本)からサウジアラビア戦(22本)と、半数以下に減っている。しかしゴール前やバイタルエリア付近への本数は増した。
もちろん、オマーンは先制されても守備を固めていたこと、サウジアラビアは何とか打開しようと試みて背後にスペースが生じやすくなっていたことと、両者のそれぞれ異なるスタンスも関係している。
そのなかで、柴崎が彼の武器と言える有効な”前向きなパス(キック)”を放てるようになってきたことは、日本にとってプラス材料に挙げられるのではないだろうか。
青山敏弘の離脱に伴いボランチは不足しており、柴崎か遠藤航のどちらかが、サウジアラビア戦から中2日で、ベトナム戦のピッチに立つ可能性が出ている。試合を重ねるごとに何か掴み出している司令塔が、そろそろ決定的な仕事をしてくれそうな予感も漂い出している。
文:サカノワ編集グループ