ベトナム戦データ検証│警告ゼロ、支配率23%から「68%」。臨機応変さ増す森保ジャパン
日本対ベトナムのプレーしていた地点を赤く染めたヒートマップ(←日本の攻撃方向)。※AFCまとめ
主導権を握った前半のペースを保ち続ける。
[アジアカップ 準々決勝] 日本 1-0 ベトナム/2019年1月21日/アール・マクトゥーム・スタジアム
UAEアジアカップ準々決勝、日本代表が1-0で競り勝ち、ベスト4に進んだ。準決勝は28日、イラン代表と激突する。
ベトナム戦のデータを振り返ると、日本はボールポゼッション(支配)率が68.2パーセントと、23.8パーセントだったサウジアラビア戦から一転して、試合の主導権を握り続けた。ハーフタイムに選手たちは「このままのペースでいこう」(原口元気)と確認し合ったそうで、前半のボールポゼッション率70パーセントをほぼキープし、堂安律のPKによる1点をもたらし、相手に主導権を与えることなく逃げ切った。
一方、課題は、吉田麻也も挙げていた「アタッキングサードの質」。図1のヒートマップのように、ベトナム戦は敵陣を均等に赤く染めている。足りなかったのは、単純にゴールだけだったと言える。
2試合連続でセットプレーからの虎の子の1点により勝ち進んだ。内容的には対照的だが、チーム内の意思統一は図れていた点は、森保ジャパンのチームとしての成長を感じさせる。
また、5人がイエローカードをもらうと準決勝が出場停止になる「リーチ状態」だったが、警告を誰も受けることなく戦い切った。この決勝トーナメントに入ってからの日本の臨機応変な戦いぶりは評価したい。相手、戦況などを全員で感じ取って試合を進める柔軟性も増している。
一方、イランは今大会3得点のエース、メフディ・タレミが累積警告により出場停止に。日本に流れが来たか――。
ベトナム戦のデータは次の通り。
□日本対ベトナム戦
ハーフタイムデータ
※AFCまとめ
ベトナム 日本
得点数 0点 1点
シュート 12本 11本
枠内シュート 4本 6本
ブロックシュート 4本 4本
枠外シュート 6本 3本
※ブロックシュート
=ブロックされたシュート
ボール支配率 31.8% 68.2%
デュエル勝率 41.0% 59.0%
空中戦勝率 43.8% 56.3%
インターセプト 13本 12本
オフサイド 2回 2回
コーナーキック 2本 2本
パス数 237本 709本
ロングパス 52本 70本
パス成功率 70.0% 86.2%
敵陣パス成功率 58.5% 78.7%
クロス本数 11本 17本
クロス成功率 27.3% 35.3%
タックル数 11回 17回
タックル成功率 90.9% 64.7%
クリア数 23回 7回
ファウル数 11回 6回
イエローカード 2枚 0枚
レッドカード 0枚 0枚
文:サカノワ編集グループ