【アジア杯決勝展望】カタールのクロス「0」。日本はサイドに勝機あり
日本代表の原口元気。決勝のキーマンになるか! 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ボールを持てば仕掛ける――相手の3トップをいかに封じるか。
[アジアカップ 決勝] 日本 – カタール/2019年2月1日18時(日本時間23時)/シェイク・ザイード・スタジアム
UAEアジアカップ決勝、日本代表対カタール代表がいよいよ明日2月1日、首都アブダビのシェイク・ザイード・スタジアムで行われる。日本が勝てば2大会ぶり5度目のアジア制覇となる。カタールが優勝すれば初めて。
準決勝のデータから、カタールのストロングポイントとウィークポイントを整理したい。
まず特筆すべきは、カタールのシュート成功率71.4パーセントという高い精度だ。通算8ゴールの大会最多タイの得点記録を作ったアルモエズ・アリの打開力は突出し、一人で最終ラインを瞬く間に打破するほどの力を持つ。スピード、パワー、技術、いずれも備えたタレントだ。
ただ冨安健洋と吉田麻也は、イラン戦でエースのサルダル・アズムンをチャレンジ&カバーで完璧に抑えてみせた。準決勝で一度、そういった絶対的なストライカーと対峙できた経験は、今回の対戦にも生きるだろう。
一方、カタールのUAE戦でのクロス数はわずか2本(UAEは26本)。クロス成功は何と「0」である。サイドを崩すという意識が基本的にない。
であれば、日本としては、サイドアタックをいかに活性化させるかが勝利への鍵となる。イラン戦で持ち味のドリブルから敵陣を切り裂いて3点目のゴールを決めた原口元気は、この決勝でもキーマンになってくる。堂安律、伊東純也、乾貴士の思い切った仕掛けも日本の武器になる。
カタールは効率よくゴールを奪えたこともあるが、アルモエズ・アリを中心とした、右ウイングのサイフ・ラシド、左ウイングのイスマイル・ハッサン・サルミンの3トップがボールを持てば仕掛ける。そのスタンスが、これまである意味徹底されてきた。
ただ、スピードやカウンターに頼り切っていたわけでもない。準決勝のボールポゼッション率はカタール49.2パーセント、UAE50.8パーセントとほぼ五分で、パス数も451本(UAE441本)だった(ちなみにイラン戦での日本のパス数は347本)。
ポゼッション率も決して低くはない。決勝はまずどちらがボールを保持して、試合をコントロールできるか。その主導権の探り合いが、大きなポイントになりそうだ。
序盤の攻防が、そのまま試合の結果につながってくるか。
日本対イラン戦のデータは次の通り。
□日本対イラン戦
※AFCまとめ
イラン 日本
得点数 0点 3点
シュート 11本 7本
枠内シュート 3本 4本
ブロックシュート 2本 1本
枠外シュート 8本 0本
※ブロックシュート
=ブロックされたシュート
ボール支配率 47.3% 52.7%
デュエル勝率 50.9% 49.1%
空中戦勝率 51.7% 48.3%
インターセプト 11本 5本
オフサイド 0回 2回
コーナーキック 5本 1本
パス数 301本 347本
ロングパス 72本 51本
パス成功率 64.5% 74.4%
敵陣パス成功率 53.9% 59.5%
クロス本数 18本 8本
クロス成功率 16.7% 25.0%
タックル数 12回 7回
タックル成功率 50.0% 71.4%
クリア数 10回 47回
ファウル数 18回 19回
イエローカード 3枚 2枚
レッドカード 0枚 0枚
文:サカノワ編集グループ