アジア制覇の条件は柴崎岳「成功率65%」の向上?

日本代表の柴崎岳。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

決勝の日本-カタール戦へ、司令塔の敵陣でのパスに浮かぶ課題。

[アジアカップ 決勝] 日本代表- カタール代表/2019年2月1日18時(日本時間23時)/シェイク・ザーイド・スタジアム

 アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のAFCアジアカップ2019決勝、日本対カタールが今晩行われる。日本が勝てば2大会ぶり5度目、カタールが勝てば初優勝。

 FIFAランキングは日本が50位(AFC内3位)、カタールは93位(同13位)。国際Aマッチの通算成績は2勝4分2敗、10得点10失点と五分だが、2敗は80年代に喫したもの。94年からの対戦で、日本は一度も負けていない。

 日本のキーマンに挙げたいのが柴崎岳だ。所属先のヘタフェCFで思うように出場機会を得られないなか今回参戦し、試合を重ねるごとにパフォーマンスを上げ、プレー精度も高めている。

 準決勝のイラン戦では特に後半、効果的なクサビのパスを放ってチャンスを作り出した。そして試合終了間際には南野拓実とのパスの連係から、原口元気の決定機を演出した。

 しかし、一つ気になるデータがある。イラン戦の敵陣でのパス成功率だ。ボランチよりも前にいる6人の数値をまとめた。

□敵陣でのパス成功率
順位 名前  成功率(全体の成功率)
1  原口元気  71.4(78.9)
2  南野拓実  70.6(72.0)
3  遠藤 航  70.0(78.9)
4  柴崎 岳  65.4(80.5)
5  大迫勇也  64.7(71.4)
5  堂安 律  64.7(73.7)
※単位はパーセント
※AFCまとめ

 アタッカーのほうがより厳しいプレッシャーを受けるため、必然的に敵陣でのパス成功率は低くなってしまう。柴崎もまたタッチライン際へのキックやスルーパスなど、通ればビッグチャンスになるきわどいパスを放っており、そのチャレンジがあるからこそ数値が低めになっていると言える。

 一方、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦でコーナーキックから決勝点をアシストしている柴崎だが、流れのなかから決定的な仕事に絡めずにいる。もちろん、大迫不在の間、前線にボールが収まらないため、思い切ってクサビを入れることが難しい状況が続いたことも影響している。

 ロシア・ワールドカップ(W杯)でのコンダクターぶりを思い出すと、まだまだ物足りなく感じるのは事実。前線にボールを当てて、柴崎が駆け上がってリターンを受けて、さらにそこから前線を生かす――。そんな相手を翻弄するダイナミックなコンビネーションをなかなか見せられずにいる。

 そんなもどかしさが、このデータにも表れている。言い換えると、なかなか敵陣の良いポジションで仕事ができていないことを、この数値は物語っている。

 もちろん肉弾戦を得意とする強国イラン相手に、そう簡単に仕事ができなかったのは仕方ない面もある。カタールもこれまで6試合無失点と、非常に守備が安定している。決勝でもプレッシャーには苦しまされるはずだ。

 だからこそ、日本の司令塔として、この大一番でひと仕事してもらいたい。大迫も、南野も、原口も調子を上げてきた。負けじと堂安も張り切るだろう。

 そんなアタッカーの長所を最大限に生かす。それができるのは、やはり日本の7番――柴崎だ。静かに熱く鮮やかに、敵陣を切り裂いてもらいたい。

文:サカノワ編集グループ

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