5年ぶりJ復帰、名将ネルシーニョの”第一声”
5年ぶりにJリーグに復帰した柏のネルシーニョ監督。(C)SAKANOWA
柏に3年連続主要タイトルをもたらす。ちばぎんカップで日立台に帰還を果たす。
[ちばぎんカップ] 柏 2[5PK6]2 千葉/2018年2月17日/三協フロンテア柏
プレシーズンマッチのちばぎんカップ、柏レイソルはジェフユナイテッド市原・千葉に対し、土壇場の87分にクリスティアーノのゴールで2-2に追い付いたものの、PK戦の末に惜しくも敗れた。
Jリーグに5年ぶりに復帰した柏のネルシーニョ監督が、久々に日立台(三協フロンテア柏スタジアム)のスタジアムで指揮を執った。2-2のゲーム内容に一定の評価を与えつつ、ここからさらに開幕に向けて修正が必要だ改めて引き締めていた。
ネルシーニョ監督は試合後の記者会見でまず、この試合の重要性を強調した。
「今日は大事な一戦になると意気込んで臨みました。キャンプ中から選手たちには常に、J2はJ1とスピード、テンポ、技術の部分も含め、相当違いがあるリーグだと話をしてきました。そういったこれまでとは異なる環境に適応していけるように、目的意識を持ちながら練習に取り組み、今日、実戦に落とし込む機会となりました」
そのうえで千葉にペースを握られる苦しい展開を、システムとメンバー変更によって流れを変えられたと説明した。
「前半は相手にスペースを支配されるシーンが多く、優位な形からチャンスを作られました(前半は1-1)。ただ後半に入り、ミカ(オルンガ)を投入し、システムを4-4-2に変更しました。高さのあるミカとクリスティアーノの連係で、よりチームを攻撃的にするという狙いです(後半も1-1)。結果、私たちは2ゴールを決めましたが、セットプレーから2失点を喫してしまいました」
先発した選手のみならず、途中出場のオルンガ、山﨑亮平、さらに新加入の村田和哉、菊池大介らが持ち味を発揮して流れを変えた。そういった個々の活躍を見られたことは、指揮官にとっても収穫になった。とはいえ、セットプレーからの失点は悔やまれるところだ。
「来週のトレーニングで、しっかりこの現実と向き合い、改善すべきところに取り組んでいきます」と、なぜ、失点したのか――そこは徹底して追及したうえで、開幕に臨むということだ。
加えて今回、千葉と対戦できたことで、J2の現在のレベルをある程度把握することもできた。
「ジェフは他のチームと比べて、技術に加えて、質も高いです。経験値も豊富な選手も揃っています。ただ、ひたすらガムシャラに戦ってくるチームとは異なると思っています。実際今日戦い、経験値の豊富な選手と質の高い選手、さらにパワーを上手く融合させたチームだという印象を受けました。
今後、私たちがJ2を戦っていくうえで、同じく技術に加え、パワーの部分を強化していかなければならないという課題も見えました」
ネルシーニョ監督はそのようにこの試合を総括した。柏のJ2リーグ開幕戦は、2月24日のアウェーでのレノファ山口戦。2011年のリーグ制覇から3年連続で主要タイトルを柏にもたらした名将が帰還し、1年でのJ1復帰に向けて――勝利の道へと踏み出す。
文:サカノワ編集グループ