当時とは違う!J1復帰の大分、三平和司「正直、あの時はあまり…」
大分の三平和司。(C)SAKANOWA
ムードメーカーが目指すは「第2のキングカズ」。J1で旋風を吹かせるか。
大分トリニータのムードメーカー、FW三平和司が自身9年ぶりのJ1の舞台に立つ。
2012年のJ2リーグでは39試14ゴールと覚醒。昇格プレーオフ誕生1年目にレギュラーシーズン6位からの「下克上」で、J1昇格に貢献した。しかし三平は京都サンガF.C.に移籍したため、2013年、J1で戦うことはできなかった。
チームはほとんどインパクトを残せないまま、1年でJ2へ降格……。それ以来、6年ぶりのJ1挑戦となる。
三平自身は、湘南ベルマーレ時代の2010年以来のJ1でのプレーとなる。その時も三平はリーグ9試合1得点と結果を残したが、湘南は1年でJ2に降格している。
「楽しみです。ただ、ただ、楽しみですよ。どれだけ通用するのか。僕たちはチャレンジャー。どこも強いチームです。でも、いい試合ができそうで、とても楽しみです」
2011、12年、田坂和昭監督(現・栃木SC)のもと、三平は大分でキャリア最多ゴールを決めるなど「結果」を残した。しかし、まだ甘かったと当時を振り返る。
「正直、あの時はあまり考えてサッカーをしていませんでした。ただ、走っていただけ、というところはありました。もちろん、その分、他の選手が考えていたと思うんですけれど(苦笑)」
今思えば、多くの選手に支えられてきたと実感している。だからこそ31歳になった三平はこれまでのトリニータ戦士への恩返しの想いも込めて、「責任感」を持って戦うという。
「今は自分もベテランと呼ばれるぐらいの年齢になってきて、考えてサッカーをやらなければいけないし、チームも鼓舞します。シンプルにちょっと責任感というところは、当時と違っています」
「とはいえ、自分のなかで『ベテランだ』と思ったことはないです。まだまだ変わらず。だから、あと20年ぐらいやって、第2のキングカズと呼ばれるぐらいになりたいです。目指しますよ!」
片野坂知宏監督のもとでプレーして4年目を迎える。田坂監督時代とはどのあたりが異なるか。三平は説明する。
「あの時と違って、今は自分たちのスタイルがハッキリしています。それをしっかりやれば、結果はついてくると思います。やり続けるだけです。僕も周りを生かしながら、生かされるポジショニングを考えて。何よりみんながイキイキとサッカーできるように、バランスを取りながら、やっていきたいと思っています」
勢いをつけるためにも、三平のファーストゴールが待望される。
J1リーグ開幕の2月23日、大分はアウェーで鹿島アントラーズと対戦する。ホーム開幕は3月2日16時から、大分とともにJ1から昇格した松本山雅FCを迎え撃つ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI