【日本サッカー協会】Jリーグ開幕前に「判定基準」の動画公開、ハンドやオフサイドの”正しい理解”を求める
Jリーグ開幕イベントより 写真提供:Jリーグ
特に選手・スタッフやメディアに、同一の認識を得てシーズンへ。
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は2月13日、Jリーグ開幕を前に、選手に求めるプレーや昨シーズンの事例、FIFAの競技規則に基づいて解説を加えた「2025 Jリーグ レフェリング スタンダード」の映像をJFA公式サイトとユーチューブの『JFA TV』で公開した。
この映像は、特にJリーグの選手・監督・スタッフ・職員、サッカーに関わるメディアや関係者に、正しい競技規則の解釈と判定基準の認識を持ち、同一の理解を得るために作成されたもの。JFA審判部が特に重視していることがまとめられている。
サッカーに関する世界的な重要事項を決定するIFAB(国際サッカー評議会)によるルールやルール解釈の変更は、ヨーロッパのシーズンに合わせて夏に変更・改訂されるため、このタイミングでの新たな変更はない。
昨シーズンのJリーグでの事象を踏まえ、動画では――
1)選手生命を脅かすチャレンジ
2)ハンドの反則
3)オフサイドの「インパクト」
4)競技者の安全への対応
この4項目について、具体的に説明している。
1)「選手生命を脅かすチャレンジ」では、例えボールに向かっていたとしても、足裏から一か八かで向かう相手の選手生命を脅かすようなタックルやチャレンジについて、カードの対象になり得ることが強調されている。
2)ハンドでは、改めて「自身が意図的にプレーしたボール」「近くにいる味方競技者がプレーした、または跳ね返ってきたボール」「明らかに軌道(方向)が変わり、予期せぬ方向から跳ね返ってきたボール」が、選手の手・腕に当たった場合は”ハンドのファウルの対象外”であることが説明されている。
また、ゴールやゴールに関わる直前のプレーで手や腕にボールが触れていた場合は、ハンドになる点も頭に入れておきたい。ただし、あくまでも、ゴールシーンの”直前”のプレーが対象だ。
3)オフサイドのインパクトは、オフサイドポジションにいながら、特にGKのプレーにインパクトを与えていたかどうかが基準になることが詳しく解説されている。
本来オフサイドは客観的に判定できる反則である。ただし、この「インパクト」については、主審、副審、VARの「主観」にも関わってくるだけに、今季も議論の対象になるシーンはいくつか出てきそうだ。
4)競技者の安全への対応では、ゴール前で頭部などにボールなどが直撃し、選手が倒れた場合には、チャンスやプレーが続行されていても、主審の判断で中断されることがあると説明されている。
動画はこちら>>「2025 Jリーグ レフェリング スタンダード」
この説明自体は理解できるし問題ない。ただし、この点がより重視されて、ピンチに立たされていてシュートをブロックした守備側の選手があえて倒れ込むシーンが増えてしまうと、最もエキサイティングなゴール前の攻防が損なわれかねず、もしかするとそのあたりも課題になり得そうだ。