【長崎】1万人が痺れた炎のボレー弾、長谷川悠「昨年末、サッカーを続けられるかどうか分からない状況だった」
V・ファーレン長崎の長谷川悠。(C)MARIKA │茉莉香
清水退団後の状況を明かす。「長崎にメチャクチャ感謝。プレーで恩返しをしたかった」。
[J2 1節] 長崎 1-0 横浜FC/2019年2月24日/トランスコスモススタジアム長崎
V・ファーレン長崎がホームでのJ2開幕・横浜FC戦、試合終了間際90分に新加入FW長谷川悠の渾身のボレー弾で1-0の勝利を収めた。
両チームともにチャンスをモノにできず迎えた74分、ホームチームは最後の交代枠を使って長谷川を投入。前線に高さと強さを加えて、さらに圧力を強めた。
相手に退場者が出て数的優位になって迎えた90分だった。同じく交代出場の大竹洋平のFKから混戦となり、こぼれ球を角田がシュート。これがDFに当たってゴール前へふわりと浮かぶ。
その落下点にいたのが長谷川だ。187センチの大砲は躊躇うことなく左足を振り抜くと、ボールは炎と化してゴールネットに突き刺さった。
1万1924人が来場し、その大半を占めたホームのサポーターはまさに狂喜乱舞。この1点が決勝点となり、1年でのJ1昇格を目指す長崎が価値ある勝点3を掴んだ。
スタジアム全体を熱く痺れさせた長谷川のスーパーボレー弾。昨季限りで清水エスパルスを退団して自由契約となり、長崎に”救われた”ストライカーがいきなり大仕事をやってのけた。
長谷川悠は試合後のインタビューで次のように語った。
「個人的にも昨年末、サッカーを続けられないかもしれないという状況でした。このチームに呼んでいただいてメチャクチャ感謝していますし、何よりプレーで恩返しをしたいと思っていました」
そのように長谷川は現役生活を続けられるかどうか……苦しい状況だったことを明かす。そして続けた。
「手倉森監督も期待してくれて、会社も素晴らしく、とても良い環境でキャンプをさせてもらえました。そして今日ピッチに入った時、素晴らしいサポーターの方々が熱い応援をしてくれて、自分の中でも感動してスタートを切れました。ゴールという結果で応えられて、本当に良かったと思います」
長崎の2019シーズンスタートの”号砲”を告げる一撃。「V・ファーレン長崎の長谷川悠」も確かな一歩を踏み出した。
文:サカノワ編集グループ