【浦和】宇賀神が勝っても警鐘「『闘う』『走る』の最低限は示せた。ただ僕らが悪いのは…」
ブリーラム戦、左WBで出場した浦和の宇賀神友弥。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
右か左か…ポジションうんぬんにかかわらず。
[ACL GS1節] 浦和 3-0 ブリーラム/2019年3月6日/埼玉スタジアム2〇〇2
宇賀神友弥がACLのブリーラム・ユナイテッド(タイ)戦、1か月(3試合)ぶりに主戦場である左ウイングバックで先発フル出場し、今季公式戦初勝利に貢献した。
国内リーグ2試合は右ウイングバックでの起用が続いていた。今回の“本職復帰”について、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督は「相手の研究をして、左サイドはウガと槙野で締めて、右サイドの森脇のところで組み立てようとした」と狙いを説明していた。
その指揮官の意図通り、チーム全体のバランスを見ながら、高いポジションどりをしたり、アタッカーのサポートに回ったりと、絶え間ないアップダウンを繰り返した。
何より宇賀神にとって、3月2日のリーグ2節・札幌戦の黒星(●0-2)は、いろんなことを改めて見つめ直す一戦になったという。
「(左右どちらかという)ポジションにかかわらず、札幌戦の90分間は、大前提である『闘う』『走る』ところが本当に物足りないものでした。そこを試合開始の笛が鳴った瞬間から、しっかり相手に見せつけることを、僕は意識して入りました。また、自分のみならずそれをチームの他の選手も要求してくる。自分も要求するからには、自分のプレーのところは意識していました。そうしながら、みんなで鼓舞し合うこともできました」
満足というより、初勝利を挙げたことでようやくスタートを切れた。宇賀神はそんな思いを口にした。
「今日が『闘う』『走る』ところの最低限です。戦術がどうこうと言う前に、そこができていなかったのがこの間の札幌戦でした。今日のプレーが、全員最低限できるようになればいいと思います。ただ……」
宇賀神が懸念していたのは、むしろ、ここからだった。
「ただ、それが毎試合できないのが、自分たちの弱いところです。もっともっと、強い要求をしなければいけない。なぜなら、これだけ最低限できるのだから。観ている人も、やっている選手も、みんなそう感じたと思います。それを1年通してやらないと。あの試合はダメだったね、ではいけない」
宇賀神はこの日のチームパフォーマンスを「最低限」に、ここから積み上げていくと言う。浦和としても、宇賀神としても、このブリーラム戦、上昇気流に乗るためのキッカケの「1勝=今季初勝利」にしたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI