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物議醸す松本×神戸、宮阪弾はオフサイドでは「ない」。JFA審判部の見解

松本山雅のサポーター。(C)SAKANOWA

中美がオフサイドポジションにいたが「GKの妨害はしていない」。ただ、この判定は微妙!?

[J1 6節] 松本 2-1 神戸/2019年4月6日/サンプロアルウィン

 判定についてSNSでさまざまな議論を呼んだ松本山雅FC対ヴィッセル神戸戦、その問題の一つとなった、13分、宮阪政樹のクロス性のFKが神戸のGK前川黛也をすり抜け直接ゴールネットを揺らしたシーン。松本の13番、中美慶哉がゴール前のオフサイドポジションにいてDFと競り合ったものの、オフサイドのファウルにはならなかった。

 この場面が『DAZN』の「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、日本サッカー協会(JFA)の上川徹トップレフェリーグループシニアマネジャーが、「「これは妨害しているとは考えません。ゴールです」と述べ、次のように説明した。

「オフサイドポジションに一人残っていて、相手競技者を妨げていたか。あとはボールの位置が関係します。また、このボールを前の選手がプレーするのは難しく、GKの視線を遮っているわけでもありません。それに、近くにいる33番(ダンクレー)の選手を妨害しているか。コンタクトはあったかもしれませんが、ボールは33番がプレーできる高さにはありませんでした」

 そのように宮阪のキックが放たれてから、中美がGK前川の守備を妨げていたわけではない、という見解を示した。むしろ、オフサイドフラッグを上げなかった副審、その判断を尊重した主審について、上川氏は「最後までプレーをしっかり見て、オフサイドポジションにいる選手がジャンプするような動きもなく、視線にも入っていなかった。飯田選手は後ろから走り込んでいる。そのように判断した、いいジャッジだったと思います」と語った。

 ただ――。このシーンは、もしも副審がオフサイドの旗を上げていたとしても……。ダンクレーがオフサイドポジションの中美に引き出されていることを考えると、決して間違いではなかったと言えたかもしれない(Jリーグの原博実副理事長は「むしろダンクレーが中美をブロックしている」と言っていたが、であれば間接的に関与しているとも捉えられる)。とはいえ、クロス性で直接ゴールに向かうキックは、近年の”トレンド”でもある。宮阪の技ありのショットは称賛に値する。同時にGK前川も細心の注意を払うべきだった。何より彼の技量があれば、十分処理できたボールだったはずだ。

文:サカノワ編集グループ