【浦和】再び84分に投入。ドリブラー汰木康也が示した覚悟
浦和の汰木康也。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
全北現代戦は不発に終わる。「仕掛けることが仕事」
[ACL GS3節] 浦和 0-1 全北現代/2019年4月9日/埼玉スタジアム2〇〇2/2万118人
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ3節、浦和レッズが韓国の全北現代モータースに0-1で敗れ、この大会初黒星を喫してグループGの2位に後退した(3位の北京国安と勝点4で並んでいる)。
1点リードされて迎えた84分、浦和の2枚目のカードでピッチに立ったのが、汰木康也だった。
ACL1節の3月6日、ホーム埼スタでのブリーラム・ユナイテッド戦。この日と同じく84分に投入された汰木の左サイドの突破とクロスから、橋岡大樹の豪快な自身2点目、チームにとって3点目をもたらしていた。
汰木がピッチに立つ際、2万以上で埋まったスタンドからは大きな拍手が起きた。その時の再現――汰木がひと仕事してくれる――が期待された。
しかし今回、汰木がボールを持てたのは、2、3回と限られた。しかも全北現代は二人がかりでマークについて対応。汰木のドリブルを封じてきた。
そのなかで汰木もカットインを織り交ぜるなど打開を試みた。ただ、そこから立ちはだかる壁を越えることはできず、試合終了を迎えてしまった。
汰木は試合後、悔しそうに肩を落とした。そして次のように語った。
「仕掛けることが仕事だと思っている。その意識を持って試合に入りました。けれど……力を出し切れませんでした。また、ここからです」
Jリーグではベンチ入りが続いているものの、なかなか出場機会を得られずにいる。ただ、今回の起用法からも、オズワルド・オリヴェイラ監督が汰木の力を必要としていることは伝わってくる。浦和でのJ1デビューは近いだろう。
今後も当面はこうした切り札的な起用が続きそうである(先発抜擢もあり得る?)。期待を力に変えて、「浦和の24番」が再びインパクトを残すその瞬間が待たれる。
取材・文:サカノワ編集グループ