J2岡山が7年連続黒字決算。10年間「無料券ばら撒き一切しない」を貫いて…

(C)SAKANOWA

スポーツ興行に使う支出、全国最低の県民「11円」からの出発。

 J2のファジアーノ岡山(株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ)が4月25日、2018年度のクラブ経営状況を発表した。同日に開催された定時株主総会で決算が承認された。

 営業収入は前年比5パーセント増加の15億200万円で、7年連続の黒字決算。プレーオフ進出を逃した昨季は、入場料収入が前年比7パーセント減の1億7600万円だったが、広告料収入の増加、2018年1月のクラブエンブレム・ロゴの変更に伴うグッズ収入の伸びで、営業収入増に至った。一方、営業費用は14億8200万円で、営業利益として1900万円、当期純利益として1300万円を計上した。

 また、クラブは11年目を迎え「最後に」という欄で、「無料チケットのばら撒きは一切しない」というスタンスを貫いてきた理由とともに、今後の県内でのファジアーノの位置付けについて記している。

「ファジアーノ岡山はJリーグに昇格して11年目のシーズンを迎えました。過去10年の土台の上に、次の10年に向けてファン、サポーター、県民の皆さまと一緒に新たな土台を築いていけるよう精進してまいります。

 昇格して10年、クラブ内では『文化づくり』を合言葉に、日々の活動に取り組んでまいりました。昇格した2009年のデータで、岡山県民が1年間にスポーツの興行に支払う金額、言い換えれば1年間に試合のチケットを買った金額が、一人あたり11円と、47都道府県のうちで最低の金額でした。

 この数字を見た時に、クラブとして無料券のばら撒きは一切しないと決意しました。その代わりに日本一チケット代を安くして、県民の皆さまが休日に身銭を切ってスポーツの興行を楽しむ、大変生意気かもしれませんが、そんな文化を岡山に作りたいという思いで10年間活動をしてまいりました。

 10年間を振り返ると、Jリーグ初年度は1試合平均6,162名だったファジアーノ岡山の観客動員数も、皆さまの力で9,000名、10,000名の方が集まるようになりました、また、県内で国内トップクラスのスポーツクラブがいくつも運営されるようになりました。別の角度では3年後、岡山市内に新しい市民会館が完成し、芸術・文化の新たな中心施設も誕生します。県民の皆さまが休日に『今日はTリーグ観戦に行こう』『ミュージカルを観よう』、または『Jリーグを観に行こう』などと選択肢が増えた10年間だと感じております。

 今後もこの『文化づくり』を意識してまいりますが、この10年の活動でファジアーノ岡山という名前は県民の90%以上の皆さまに認識していただけるようになりました。新たな10年に向けてファジアーノ岡山が地域の『ハブ』となり、地域の課題や社会問題の解決の一端を担えるような、そんな存在になれるよう活動を続け、『子どもたちに夢を!』の理念のもと、100年後もここ岡山で愛され、地域に必要とされるクラブを目指してまいります」

 そうした状況を鑑みる一方、2017年シーズンはJ2の22クラブ中5位だったにもかかわらず、入場料収入は8位タイであった。クラブでは「入場料収入を考える上で、適正なチケット金額について、多くの方と話をさせていただきながら、クラブとして検討してまいりたいと存じます」と、チケットの価格・種類など検討していく考えを示している。

文:サカノワ編集グループ

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