松本の反町監督が久保建英を絶賛。「海外に行ったほうがいい」発言の背景とは?
松本の反町監督がFC東京の久保を絶賛。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
将来、日本を背負って立つような選手になってもらいたい。
[J1 9節] FC東京 2-0 松本/2019年4月28日/味の素スタジアム
松本山雅FCの反町康治監督が試合後の記者会見で、この日、2ゴールをもたらした17歳の久保建英を絶賛した。
松本のタイトな守備に苦しんでいた久保だが、一瞬の隙を見逃さず、44分、混戦からボールを拾うと相手を一人かわしてスルーパスを放ち、永井謙佑の先制点をアシストする。さらに77分、ペナルティエリア内で再び混戦からボールを持って仕掛けると、橋内優也に倒されてPKを獲得。これをディエゴ・オリヴェイラが決めて、ホームチームに追加点をもたらした。
他にも多彩なプレーで、3万6000人を超える観客を魅了。その活躍ぶりに、反町監督は目を細めた。
「 翻弄された、と言ってしまうと、そのまま明日の新聞に出てしまうだろうな」
そのように苦笑いを浮かべて、次のように続けた。
「どのようなプレースタイルかは分かっていましたが、相手を見てポジションを取り、判断をギリギリで変えられるところは、少し日本人離れしている。昨季よりも今年のほうが良く感じます。そこで時間を作られた。そこに1点目のように、オリヴェイラと永井が関わり、分かっていてもやられるのがサッカーの世界。何とも言えません」
指揮官はこの試合での久保のプレーぶりを、そのように唸った。
「非常に高い質を、久々に日本人選手で見せてもらったと思います。これからどのような道筋を辿り、どのような選手になっていくのか楽しみです。将来、日本を背負って立つようなプレーヤーになってもらいたいですし、応援しています。ウチはもう1試合あるので、海外に行ったほうがいいんじゃないかな」
最後は反町監督らしく締め括った。松本のホームゲームでのFC東京戦は27節、9月27日か28日に組まれているが、果たして――。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI