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令和は”一点集中”。松本の新FW杉本太郎「ゴールあるのみ」

松本の杉本太郎。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

FC東京戦は今季リーグ最長出場を果たしたがノーゴールに終わる。

[J1 9節] FC東京 2-0 松本/2019年4月28日/味の素スタジアム

 松本山雅FCのFW杉本太郎は4月28日のFC東京戦、アディショナルタイムを含めると今季リーグ最長となる33分間プレー。ただ求められたゴールに絡む仕事をできず、試合後は肩を落とした。

「(狙っていたのは)ゴールです。(反町監督からの指示は)前でしっかり時間を作ることと、やはり『ゴール』でした。ダメでした。結果を残せなかったのですから」

 23歳のアタッカーは短い言葉に、悔しさを滲ませる。

 2014年に鹿島アントラーズでプロのキャリアをスタートさせて3シーズン在籍。そこから移籍した徳島ヴォルティスでの2年間で実績を残し、今季、松本に完全移籍で加入した。自身にとっては3年ぶりのJ1の舞台となる。

「流れを変えるだけではなくて、やはり結果を出していかなければ、いけないと感じています」

 4節から全試合でベンチ入りし、これまで5試合で途中出場。ただし、いまだノーゴール。松本での初ゴールは、令和の新時代に持ち越された。

 徳島時代は度重なるケガに悩まされた。ハムストリングスを傷めながらも41試合6得点とブレイクした2017シーズン後に「右足関節後方インピンジメント症候群、三角骨障害」の手術を受けた。ただ、その影響により、昨季は24試合1得点と得点数が減った。

 しかし、「もう大丈夫です」と完全復活を強調する。

「(結果を残せていないので)乗り越えた、というのか。ただ、あのケガをしている時期よりもツライ時期はない。そういった意味では、気持ち的には楽です。集中できています」

 令和は”一点集中”。まずは松本での初ゴールを狙う。

「ゴールとチームとしての結果。そこに集中していきます」

 2012年にU-16アジア選手権のMVPを受賞し、13年のU-17ワールドカップでは日本をベスト16に導いた。ポテンシャルは十分ある。杉本は闘志の火を静かに燃やしていた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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