天野純が圧巻3得点演出! 直接FK弾に内田篤人も「中村俊輔さんみたいだった」
横浜FMの天野。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
2点目は札幌戦の反省を生かし、3点目は「信じて走り込んでいく」チームの狙い通り!
[J1 11節] 横浜FM 3-0 鹿島/2018年4月28日/日産スタジアム
横浜F・マリノスの天野純が、全3ゴールに絡む圧巻のパフォーマンスを見せた。
開始7分、ユン・イルロクからのパスをゴール前で受けると躊躇わずシュートを放ち、そのこぼれ球を遠藤渓太が押し込み先制。21分、約25メートルの地点から左足を振り抜いて直接FKを叩き込んで2点目。そして66分、左サイドからグラウダーのクロスを放つと、逆サイドの仲川輝人の折り返しを中町公祐が決めて、試合を決定づける3点目を奪った。
2点目のFKは、対戦した内田篤人から「俊さん(中村俊輔)みたいだった」と言わしめた。
天野にとっては、絶対に決めるーーと自信を持って蹴り込んだ一発だったという。
「(前節1-2で敗れた)札幌戦で同じような位置から蹴っていたけど、ボールスピードと高さが足りていなかった。だから、さらに腰のひねりを加え、足首の角度もしっかり上手く入り、あの球が行きました。芝生の濡れ具合も考え、GKとの駆け引きも、全てが上手く噛み合い、あの(蹴った)瞬間、決まると思いました。(コースも)狙い通りでした」
そのように振り返るパーフェクトなFK弾だった。
加えて3点目は、全員の意思が噛み合い、チームの理想とする形から決められた。
「(アンジェ・ポステコグルー)監督からは『サイドバックとセンターバックのスペースが空く』と話をしてくれていて、ダイレクトでクロスを上げるチームの決まりごとから点を奪えました。スペースの活用は昨年から取り組んでいること。信じて走り込んでいく。それが得点につながって良かったです」
あらゆる形からゴールに絡んだ。それだけ得点を奪うためのバリエーションが増えてきた証を示せたとも言える。それでも天野は、まだまだ不完全だと感じていた。
「 (今季初ゴールとなったが?)それよりも勝てたことが嬉しい。内容に結果が伴わず、しっかりマリノスらしく守り切れました。ただ90分圧倒するのを目指しているが、鹿島の圧力に負けてしまった時間もありました。まだまだ僕自身にも満足していません。もっともっと成長していきたいです」
そして5月2日は、中村俊輔のいるジュビロ磐田と対戦する。
「次勝たないと、この勝利の意味がなくなる。みんなと共通意識を持ってやりたいと思います」
そう天野は誓っていた。ちなみにこの日の2点目と3点目。個人的に気に入っているのは? と聞かれると「2点目です」と即答した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI