【FC東京×松本】無言で交したエール。D・オリヴェイラが完璧なシュートを止めたGK村山のもとへ…

FC東京のディエゴ・オリヴェイラ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「あのセーブをたたえたくなったんだ」

[J1 9節] FC東京 2-0 松本/2019年4月28日/味の素スタジアム

 63分、FC東京がビッグチャンスを迎える。敵陣で松本山雅FCのミスを久保建英が見逃さずインターセプトし、そのパスを受けたディエゴ・オリヴェイラが仕掛ける。ピッチ中央のペナルティエリアにちょうど入ったところで、東京の9番は狙い澄ましたシュートをゴール隅に放つ。

 しかし、立ちはだかったのが松本の16番だ。GK村山智彦は左にジャンプし、ギリギリのタイミングでシュートを弾き出す。間一髪のビッグセーブ――。その背中にいた松本サポーターから大きな村山コールが起きた。

 ボールはゴールラインを割ったため、FC東京のコーナーキックに。すると、決め切れず一度は頭を抱えたディエゴ・オリヴェイラがゴール前にポジションをとると、まずGK村山のもとへ行く。そして小さく笑みを浮かべて手を差し出し、軽くハイタッチをかわしたのだ。

 自信を持って蹴り込んだ決定的なシュート。それを止めたスーパーセーブ。ディエゴ・オリヴェイラは松本の守護神のその渾身の技をたたえた。

 ブラジル人ストライカーは試合後、そのシーンについて、次のように振り返った。

「私はいつも相手を敬って試合をしているけれど、今日のGKの彼は非常にいいプレーをしていたよ。そのなかで、あのセーブはたたえたくなったんだ」

 無言でかわしたエール。スタジアム全体に緊張感が張り巡らされた展開のなか、さりげないものの、ふとストライカーとGKが見せた熱いワンシーンだった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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