浦和オリヴェイラ監督が明言「青木は次戦先発で使う」。一つのミスで信頼は変わらず

浦和の青木拓矢(左)と磐田のロドリゲス。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

相変わらず攻撃の形を示せずにいることのほうが課題に。

[J1 10節] 浦和 0-1 磐田/2019年5月3日/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズ対ジュビロ磐田の後半アディショナルタイムの90+3分、GK西川周作からのパスを青木拓矢が左サイドで受ける。しかし、そこから出しどころがなく、青木はバックパスを選択する。ところが「あれはゴールキーパーに任せるパスだった」(マウリシオ)が、西川は完全にゴール前まで戻り切ろうとしたため、息が合わず……。インターセプトしたロドリゲスに持ち込まれ、マウリシオも振り切られシュートを叩き込まれた。

 普段はメディア対応に時間をかける青木だが、この日ばかりは「今日はやめておきましょう」と一言だけ言い残してスタジアムを去った。「ミスから負けてしまうのは、みんなの責任。勝った時はみんなの勝利」と武藤雄樹は言っていたが、もちろん問題点の修正は必要だが、あの失点シーンのみで青木を責めるような雰囲気はチーム内になかった。

 オズワルド・オリヴェイラ監督は公式記者会見で次のように強調した。

「ミスはサッカーにはつきものです。相手のミスによって私たちが有利になった試合もあれば、今日のように不利になることもあります。人間は誰でもミスをするもので、青木が信頼できる選手であることに何も変わりはありません。次の試合も、頭から(先発で)起用します。成長していく道のりでの事故のようなものです」

 そのように青木への変わらぬ「信頼」を強調。コンディションに問題がなければ、5月7日、アウェーでのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のブリーラム・ユナイテッド戦、青木を先発で起用すると明言した。

 むしろ、ゴールへの道筋を相変わらず示せずにいることこそが浦和の課題だ。この日も流れのなかから決定的なチャンスをなかなか作れなかった。その点についてオリヴェイラ監督は、「(攻撃の部分で)苦しんでいます。過去のような攻撃力をお見せできていません。インテンシティの高いトレーニングを積み、チームのさまざまな課題を改善しながら準備を進めたいです」と言った。

 それは結局、大ケガからようやく練習に合流したファブリシオの完全復活を待つしかないということなのだろうか――。

 3連勝中も、決して内容が充実していたとは言えなかった。もちろん勝負強さが身についてきている点はプラス材料に挙げられるが……。ミスパスがクローズアップされているものの、浦和が抱える根本的な課題が、相変わらず改善できずにいる。柏木陽介不在の影響もあったかもしれないが、狙っている攻撃の形が、一向に示されずにいる。

 コイントスで勝てば「何か流れを変えるためにも」陣地を変えることは名波監督からの指示だったという。そんな追い込まれていた17位の磐田に敗れたことで、むしろ、「勝利」の影で潜んでいた課題が改めて頭をもたげてきた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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