久保建英に匹敵する逸材。斉藤光毅が世界で狙う「インパクト」と「野望」
横浜FCの斉藤光毅。(C)SAKNAOWA
明日U-20W杯のメンバー発表。昨年はアジアで3発。
[J2 12節] 横浜FC 1-3 京都/2019年5月5日/ニッパツ三ツ沢球技場
横浜FCのFW斉藤光毅が京都サンガF.C.戦、1-1で迎えた後半開始から途中出場してエースストライカーのイバとともに前線を形成した。しかし後半開始直後に失点を喫してしまい、その後は京都の組織的な守備を崩せず、決定的なチャンスを作れないまま1-3で敗れた。
「自分が試合に入ることで、勝ちにつながる仕事をしたかったです。ただ早々に失点してしまい、悪い流れになってしまいました……。そこは課題ですし、修正しなければいけません」
8試合連続でのリーグ戦出場となった17歳に対するマークは厳しかった。横浜FC戦の23番はイバの近くでプレーし、チームの武器である「高さ」と「技」を組み合わせて崩そうと試みたものの、その連係がことごとく分断されてしまった。
「単純に戦う部分であり、基準のところであり、それに自分たちのチームワークの部分で欠けていたところがあったのかなと感じました。ただ、そういった課題が見つかったからこそ、この試合を次に生かして、改善していきたいです」
いったい何が足りなかったのか――。斉藤はチームであり、個人であり、その課題を探り、いかに克服すべきか自問自答していた。
今季これまで10試合2ゴールを記録。170センチ61キロと他の選手たちよりも一回り小柄で、スペースの生まれる時間帯に投入される切り札的な役割を主に担ってきた。
一方、昨年U-19日本代表として臨んだU-19アジア選手権では、持ち味であるテクニカルなカットインから数多くのチャンスを作り出し、グルーステージでは3試合連続3ゴールを叩き込んだ。注目のFC東京の久保建英とは同い年。久保が今年一気に突き抜けたが、斉藤のポテンシャルもまた魅力的だ。U-17ワールドカップや、そのU-19アジア選手権でもそれぞれが刺激し合うように活躍し、それぞれが「結果」を残していった。
5月7日はポーランドU-20ワールドカップ(5月23日開幕)のメンバーが発表される。コンスタントにJリーグの試合に臨んでいる同世代のアタッカーは限られるだけに、順当にいけば選出されるはずだ。
「もしも選ばれれば、自分のサッカーキャリアにとっても大きな大会にできるように、結果を残したいです。大きなインパクトを残してみせたいです。『結果』が一番のアピールになります。加えて相手にとって怖がられる選手、そういうところで目立つような選手になって、見てもらえると嬉しいです」
そのようにビジョンを描く。横浜FCの下部組織からの”生え抜き”とあって、クラブの期待も大きい。しかもこの聡明な戦士は、「僕を通じて横浜FCのことを、もっとよく知ってもらいたい」という密かな野望も抱いている。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI