横浜FM李忠成がリーグ初ゴール!「渓太ありがとう。いい日になりましたね」
横浜FMの李忠成。(C)SAKANOWA
途中出場から遠藤のクロスに合わせ価値あるチーム2点目を奪う。
[J1 12節] 横浜FM 4-1 神戸/2019年5月18日/日産スタジアム
横浜F・マリノスのFW李忠成がヴィッセル神戸戦、新天地でのリーグ初ゴールを決めた。1-0とリードしているものの”一発”の力を持つ神戸相手に緊張感のある展開が続いた。そのなかで途中出場から価値あるチーム2点目。しかもホームのサポーターの目の前での一撃とあって、4万4210人を集めた日産スタジアムが揺れた。
今季、浦和レッズから横浜F・マリノスに完全移籍で加入。アンジェ・ポステコグルー監督の取り組むマリノス・スタイルに徐々にフィットしてきたが、3月下旬に左橈骨(左腕の骨)を骨折して、約1か月(5節から8節まで)の欠場を余儀なくされた。
開幕から少しずつ出場時間を増やすなか、5月8日のルヴァンカップのグループステージ北海道コンサドーレ札幌戦(〇4-0)で横浜FMでの初得点を記録。そして今回の神戸戦は63分にエジガル・ジュニオと交代出場。最前線に入った4分後、左サイドを持ち味のドリブルで攻略した遠藤のグラウンダーのクロスに冷静に左足で合わせて、横浜FMでの初ゴールを決めた。
「『渓太、ありがとう』というゴールです。誰でも決められるぐらいのパスを出してくれました。これから、もっともっとハマっていくはずです」
李はそのように喜んだ。ただゴールの瞬間はチームメイトやサポーターとともに喜びを爆発させたが、試合後は冷静に課題についても挙げた。
「もっとパスが入ってくれば。まだまだです。自分の動き方は少し特殊でもあるので、今までにない感じで、周りが合わせようとしてくれています。だからやり続ければ、パスが出てくる。(得点シーンのような)クロスに対しては、そこまで複雑なことではない。(昨季まで横浜FMに所属した)ウーゴ・ヴィエイラの動き出しも上手かったですね。そういった部分で、自分もタイミングや感覚をもっとみんなと擦り合わせていきたいです」
もっと呼吸を合わせていき、パス=チャンスの数を増やしていきたいと言う。
リーグ7試合目での初ゴール。まだ、いずれも途中出場ではある。ただ、新たな一歩であり、意味ある「初ゴール」であることは間違いない。しかも――ホームで決めてみせた。
「今日は、いい日になりましたね」
李は自身のゴール以上に、五月晴れの土曜日、日産スタジアムに今季最多の観衆が集まったなか、4ゴールを奪って勝利したこと――。そんな最高の1日をチームメイトやサポーターとともに過ごせたことを喜んでいた。
これが1点目。トリコロールのユニフォームとともに、李にとっても、チームにとっても、さらに素敵な日々がこれから待っているはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI