【U-19日本代表】ボランチで奮闘の山田康太「悔しかったが全部出し切れた」
サウジアラビア戦でボランチとして奮闘した山田康太。(C)AFC
準決勝サウジアラビア戦、敵陣でのパス成功率は先発メンバーのうち最も高かったが…。
[U-19アジア選手権 準決勝] 日本 0-2 サウジアラビア/2018年11月1日/パカンサリスタジアム(インドネシア)
U-19日本代表の山田康太(横浜F・マリノス)はU-19アジア選手権の準決勝サウジアラビア戦、ボランチとしてフル出場を果たした。持ち味である思い切った鋭いプレスからボールを奪い起点になる場面もあったが、なかなか次の展開につなげられず苦戦を強いられた。
AFC(アジアサッカー連盟)のデータによると、ボール支配率は日本の33.3パーセント対サウジアラビア66.7パーセント。そのなかで山田のパス本数は29本、成功率は79.3パーセントだった。そのうち敵陣でのパス成功率64.3パーセントは、日本の先発した選手の中で最も高かった(ボランチを組んだ伊藤洋輝は53.3パーセント)。もちろんその数字が決して高いとは言えないが、何とかして打開しようと奮闘したことが伝わる。
試合後、山田はこの敗戦を受け止め、悔しさを噛み締めた。
「全部を出し切れました、悔しかったですけれど……。試合が終わってロッカーに戻ったとき、このみんなとの大会も終わってしまったのだと実感が沸いてきて、そこで、改めてすごく悔しさが増してきました」
試合の入りで受け身になり、そこで後手に回ってしまった。山田はそこから修正できなかったことを反省した。
「ディフェンスの連係ミスもあったんですけれど前半失点してしまい、そういうところで難しくして、相手にメンタル的に余裕が生まれ、自分たちが追い込まれ、良い立ち位置を取れなくなり、しっかりボールを動かせない状況が生まれてきました。やはり前半15分間が負けた要因かなと思います」
そのように開始15分間の攻防がカギを握ったと振り返った。
帰国後は横浜FMでの戦いが待っている。下部組織から正式に昇格した1年目、リーグ戦はこれまで8試合1得点を記録する。ポリバレント性が高くシーズン中盤に先発での出場機会を掴んだものの、チームが好不調の激しい波を繰り返すなか、徐々に出番を減らしていった。
ただ、山田はこのU-19日本代表での活動を通じて、心身ともに一段と逞しさを増した。横浜FMの今季残す戦いはJ1リーグのみとなったが、この1年間の進化の証を示すためにも、ピッチに立つチャンスを掴み取りたい。山田が浮かべる勝利の笑顔を、もう一度、サポーターへ届けたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI